ニキビだけじゃない…身体を蝕むAGEs(エイジス)とは
医療、美容分野で近年注目されつつある、AGEs(エイジス)という言葉を聞いたことがありますか?
AGEsとは別名、終末糖化産物とも呼ばれるタンパク質と糖が加熱される時にできる物質で身体に徐々に蓄積され、シミやシワなどの肌老化を引き起こすことが分かっています。
また強い毒性を持ち、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化などのリスクを高め、健康をも害する危険性があるとして医療分野でも研究が進められています。
しかもこのAGEsは時間をかけて肌を老化させるだけではなく、ニキビができやすい肌にしてしまうという難点もあるのです。
一体なぜでしょうか?
AGEs(エイジス)がニキビの原因になる理由
「糖分を取りすぎるとニキビができる」というのは広く知られていますが、その理由としては皮脂分泌を促進する、ビタミンB群を不足させるなど様々な理由があります。
実際に糖分はニキビを悪化させると言われていますが、身体自体が「糖化」することはあまり知られていません。
AGEsとは糖分そのものではなく糖分の過剰摂取などによって血中のブドウ糖が溢れだすことで、細胞や身体の組織を形成しているタンパク質に糖が結びついてしまいます。
そして最終的にタンパク質と糖が結びついたものが体温で熱され、いわゆる「糖化」が起きるのです。
ニキビに糖化が良くない理由の一つは、肌の老化を促進させるのでスムーズなターンオーバーが行われにくくなること。
ターンオーバーの周期が遅くなるほど角質肥厚を起こしやすく、肌ダメージを回復しにくいのでニキビ跡も残りやすくなってしまいます。
また糖化は血液循環を悪くし、免疫を下げて身体や肌を錆びさせる活性酸素を放出させるので、ニキビができやすい状態を作ってしまうのです。
その上AGEsはある程度体内で分解されるものの、全体の約7%は身体にとどまって蓄積されることも分かっています。
それでは身体を糖化させず、AGEsを防ぐにはどうすれば良いのでしょうか?
糖化を防ぎ、AGEs(エイジス)を蓄積させない習慣
1.間食にはご注意を
私達が頻繁に口にするスイーツや清涼飲料水には想像以上に糖質がたっぷり含まれています。
厚生労働省によると30~40代のデスクワーク中心の女性で、1日当たりに必要な糖質は100gと設定されています。
ところがショートケーキ一つでおよそ48gもの糖質が含まれているのです。
糖化を進めないためには糖質の過剰摂取を控えることや、どうしてもデザートが食べたい時は血糖値の異常上昇が起きにくい食後に摂ることをおすすめします。
2.調理法は「焼く」より「蒸す」
特に焦げの部分に多く発生しやすいAGEs。
こんがりきつね色になった部分にこそ、AGEsは多く含まれています。
焼くからこそ美味しい料理もたくさんありますが、普段はできれば焦げ色をつける方法ではなく、蒸すなどの焦げを発生させにくい調理法を増やしましょう。
3.ストレスを溜めない
ストレスはホルモンバランスを崩して血糖値を上げるホルモンを分泌されるため、間接的にAGEsを増やす原因とされています。
日々の生活でストレス発散できるように心掛け、過度にストレスを溜めないように注意しましょう。
4.年間を通して紫外線対策を行う
肌の表面にある角質層は紫外線によって糖化が進み、AGEsを生成させます。
比較的弱い冬場の紫外線を数分浴びただけでもAGEsは作られるため、年中通して紫外線対策を行うようにしましょう。
毎日の食事や習慣によって蓄積され、ニキビの原因にもなるAGEs。
普段の心がけや努力によって、数年後の肌質や健康に大きく影響があるかもしれません。
AGEsをできる限り増やさず、身体の糖化を防ぐ習慣を今のうちから実践していきましょう。