便秘とニキビの関係
一見、関係性が無いようにも思われますが、実は便秘はニキビや肌荒れといったトラブルの原因です。
その理由は便秘は老廃物や毒素が腸内に蓄積され、体内の機能低下や、栄養素を著しく不足させてしまため。
不足する栄養素の中には、肌の新陳代謝に大きく関わるものも含まれている為、便秘の方は腸が健康な人と比べてニキビが出来やすいと言えます。
見落としがちなニキビの原因でもあるので、外部からの悪影響だけでなく、体の内部から及ぶ肌への悪影響もしっかりと理解しておきましょう。
便秘がニキビを発症させるメカニズム
一口に便秘がニキビの原因といっても、なぜ便秘でニキビができるのか?と疑問を抱く人は多いかと思います。
便秘がどれほどニキビと密接な関係にあるかをしっかりと理解する為にも、便秘がニキビを発症させるメカニズムを抑えておくと良いでしょう。
1.肌細胞に関わる成分が枯渇する。
腸内では、肌の新陳代謝を促すのに大きな役割を果たす「ビオチン」という成分が生成されており、腸内細菌の一つ「酵素ビオチニダーゼ」によって初めて体内に吸収され、肌への栄養素となるのです。
しかし、腸内環境が悪化し便秘となってしまうと、酵素ビオチニダーゼも減少してしまうため、結果としてビオチンが不足し、ニキビや肌荒れといったトラブルを引き起こす事も。
ビオチンは様々なスキンケア用品や食材に多く含まれていますので、便秘で不足した分を外部から摂取しニキビを予防するという方法もありますが、成分が不足している根本的な原因である便秘を改善する方が良いでしょう。
2.活性酸素が増える。
腸内の排出機能が低下する事によって悪玉菌が増えると、それを撃退するために多くの活性酸素が生成されてしまいます。
活性酸素は、侵入してきた細菌を強い酸化力で撃退する役割をもっているものなのですが、これが過剰に生成されると、その強い酸化力のダメージが健康な細胞に及び、ニキビの炎症や発症を促進させてしまいます。
悪玉菌は腸内だけに発生するのだから、肌は関係ないのでは?と考える方もいるかと思いますが、悪玉菌は、血流と共に身体全体へと流され、最終的に皮膚へと排出されますので、肌トラブルに関係はないという訳ではありません。
女性に発症するニキビの原因の多くは便秘?
女性は男性に比べて便秘になりやすく、大半の女性が悩むニキビの原因は腸内環境の悪化がほとんど。
その理由は女性ホルモンの一つ「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が腸内に悪影響を及ぼしているからです。
プロゲステロンは、腸内の水分を吸収する働きがあり、便を柔らかくして排出しやすくする機能を下げてしまいます。
その結果、排出されない毒素が溜まった腸内の善玉菌が減少し、悪玉菌の増加してしまい、ニキビや肌荒れなどのトラブルが発生する原因に。
またプロゲステロンは、生理前などに過剰生成されますので、その期間は特に注意して下さい。
便秘によるニキビの予防・改善方法
ニキビの原因=皮脂の過剰分泌・肌の乾燥と思い込み、それを改善する為のケアを行っても、便秘が原因で発症したニキビを改善することはできません。
どんなに肌に良いケアを適切に行ってもニキビが改善できないという方で便秘気味と言う方は、それが原因と考えて良いでしょう。
腸内環境の悪化は、ニキビの原因に密接な関係がありますので、その点も考慮して予防・改善のケアを行ってください。
便秘によるニキビを予防・改善する方法は、以下の成分を適量摂取することがお勧めです。
1.乳酸菌
乳酸菌は、腸内環境の働きを活性化させる代表的な成分です。
食物の消化吸収作用を高める他、有毒物質を生成する悪玉菌の働きを抑える抗菌作用や、ビオチンを体内へ吸収させる腸内細菌の働きを促進させる作用、細菌やウィルスに対する抵抗力を上げる作用などがあります。
乳酸菌が多く含まれている代表的なものとしてヨーグルトを思い浮かべる人が多いかと思いますが、ヨーグルトのほとんどは皮脂分泌を促す「動物性脂肪」が多く含まれている為、ニキビケアとして摂取するのであれば、あまりお勧めはできません。
もし、ニキビケアとして乳酸菌をとるのなら、動物性脂肪分がなく、植物性乳酸菌が多く含まれた「味噌・醤油・キムチ・ぬか漬け」などが良いでしょう。
植物性乳酸菌は、過酷な環境でも生き抜く事ができますので、生きたまま腸内に届かせ、迅速な便秘によるニキビの改善を望めるのです。
2.ビタミンC
ビタミンCは、腸内環境を改善させるのに欠かせない乳酸菌を活発にする成分の一つ。
また、腸内環境悪化によって増える活性酸素の酸化作用から、肌細胞を守る「抗酸化作用」もありますので、便秘によるニキビの悪化を未然に防ぐ事ができます。
しかし、ビタミンCのみを摂取しても、腸内環境が改善されニキビが改善するという訳ではありませんので、それと同時に乳酸菌や食物繊維を摂取すると良いでしょう。