脂性肌(オイリー肌)とは
脂性肌とは、なんらかの原因で皮脂の分泌が過剰化してしまい、ベタつきや、テカりがある状態の肌を指します。
乾燥肌とは違い肌の変化がでやすい肌質の為、自分は脂性肌だと自覚しやすいのも1つの特徴です。
ニキビなどの肌トラブルが悪化しやすく、最悪の場合はニキビ跡が残ってしまう可能性もありますので、脂性肌かもしれないと感じた時点でしっかりとケアを始めましょう。
脂性肌の原因
皮脂腺は様々な要因によって皮脂分泌が活発化します。
思春期の場合は、成長に伴って分泌量が増える「男性ホルモン」が皮脂腺を刺激することで、一時的に皮脂の分泌量が活発化する事が主な要因に。
しかし、大人の脂性肌には共通した原因がない為、皮脂分泌量を過剰化させている原因をしっかりと考えて対処していく必要があります。
では、いったい脂性肌になってしまう原因はどのようなものが考えられるのでしょうか?
1.肌の乾燥
一見、乾燥とは無縁のようにも感じる脂性肌ですが、実は乾燥と深い関わりがあります。
紫外線や湿度の低い環境などが原因で角質層の水分が不足しバリア機能が低下すると、皮膚はそれを回復させようと多くの皮脂を分泌します。
以上の事が要因で皮脂の分泌量が増すと、肌表面はテカテカしているのに肌内部は乾燥しているという「インナードライ」の原因に。
インナードライは脂性肌なのですが、根本的な原因は乾燥となりますので、乾燥肌になりやすい夏や冬に皮脂分泌量が増加し始めたら、皮脂を落とす洗顔やクレンジングの頻度を落とし、保湿ケアを行うようにしましょう。
2.偏った食事
人の肌は、普段身体に取り入れる食材の栄養素によって正常な状態を保っています。
その為、皮脂の分泌量をコントロールする為のビタミン不足や、皮脂の分泌量を促進する食材を過剰に摂取すると脂性肌の原因となります。
特に、皮脂の主成分ともなる砂糖、果糖、アルコール、動物性脂肪などを含む食品には注意して下さい。
その他にも血糖値を急上昇させる食品「高GI食品」は、皮脂腺を刺激するホルモンの一つである「インスリン」の分泌量を高める原因に。
主に高GI食品は砂糖を多く含むお菓子やジャガイモ、精白米、パン、麺類などが挙げられます。
3.ホルモンバランスの乱れ
皮脂の分泌を過剰化させるホルモンは、男性ホルモンと黄体ホルモンの2つに分ける事ができ、どちらかが優位になってホルモンバランスが乱れると、脂性肌になってしまう場合があります。
男性ホルモンが優位になってしまう原因は、主に慢性的なストレスが引き起こす交感神経の活発化です。
交感神経が分泌する抗ストレスホルモン「コレチゾール」は、男性ホルモンを刺激する作用があり、これが原因で男性ホルモンが過剰に分泌するので、定期的にしっかりとリフレッシュできる時間を設けるようにしましょう。
黄体ホルモンに関しては、生理の2週間程前になると自然に分泌量が増えてしまう為、個人のケアで分泌量を抑える事はできません。
その為、生理前は生活習慣や食事の質を整え、皮脂分泌を過剰化させるほかの原因の対策をしっかり行うようにしましょう。
脂性肌のケア
脂性肌の原因は思春期の場合、主に一時的なホルモンバランスの乱れな為、自然と改善されます。
しかし、大人の場合は脂性肌となってしまう原因が様々な為、自分にあったケアを行わなければいけません。
ただ皮脂分泌量が多いからといって洗顔やクレンジングの回数を多くするといったケアを行うと、ニキビを悪化させる原因になってしまいます。
脂性肌になった場合は、まず原因となりえるものをしっかりと見極めてからケアを行うようにしましょう。
脂性肌のケア方法は以下のものが挙げられます。
1.保湿ケア
脂性肌といっても肌内部が乾燥している可能性は決して低くありません。
特に皮脂腺が少なく乾燥しやすいUゾーンは、例え脂性肌になっても肌内部が乾燥してしまっている場合が多いので、肌に必要な分だけの皮脂を残しつつ保湿ケアを実施する必要があります。
脂性肌の保湿ケアは、水分を蒸発させやすいアルコールを含むものは避け、保湿に効果的なセラミドやヒアルロン酸が配合されたスキンケア用品を使用するようにしましょう。
また、脂性肌といっても頻度の高い洗顔・クレンジングは不要です。
過度なスキンケアは、肌に必要な皮脂を落とすだけではなく、角質層の構造を崩しバリア機能を低下させてしまう原因ともなりますので、注意して下さい。
2.ビタミンB2・B6の摂取
過剰化した皮脂の分泌を抑えるのに効果的な栄養素はビタミンB2・B6です。
ビタミンB2には脂質の代謝を調整し、過剰に分泌された皮脂を正常な状態に抑える働きを持っており、ビタミンB6には肌の新陳代謝を促す作用がある為、正常ではない肌質を健康な肌へと改善する働きを持っています。
ビタミンB2は、レバー、焼きのり、ウナギ、卵などに多く含まれており、ビタミンB6はマグロ、カツオ、鶏ひき肉、いわしなどに多く含まれています。
脂性肌が原因のニキビに悩む方は、普段の食事にビタミンB2・B6が含まれた食材を取り入れ、なるべく糖分の多いお菓子などは避けるようにしましょう。
生理前のニキビ
生理になるたびに発症するニキビに悩まされている方は多いのではないでしょうか?
生理だけでも憂鬱なのに、その度にニキビまで発症してしまうと、ついケアを怠ってしまいがちです。
いつもの事と諦めてしまっている人もいるかと思いますが、こういった生理前のニキビは、しっかりと対策を行えば、未然に防ぐ事も可能です。
自然に消えるからと油断していると、どんどん肌の免疫力が下がってしまい、ニキビが発症しやすい肌になってしまう場合もありますので、しっかりと対策を立てましょう。
生理前ニキビの原因
生理前にニキビが発症してしまう主な原因は、ホルモンバランスの乱れによって過剰分泌する皮脂です。
女性ホルモンには、プロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)の2種類があり、生理の2週間ぐらい前になるとプロゲステロンの分泌量が活発化します。
プロゲステロンは女性が妊娠するにあたって欠かせないホルモンとなるのですが、その反面、皮脂の分泌量を促進させる作用をもち、それが要因で毛穴詰まりが起こり、ニキビが発症してしまうのです。
プロゲステロンの分泌量が増える時期は、排卵から生理までの10~12日間ほどとなりますので、それ以外の期間にプロゲステロンが過剰分泌するという事はありません。
生理前ニキビを予防、改善するのであれな、プロゲステロンが過剰分泌する排卵日前からしっかりとケアを行うようにしましょう。
エストロゲンはニキビに効果的なホルモン
エストロゲン(卵胞ホルモン)は、プロゲステロンの分泌量が低下する生理開始から排卵前までの期間に多く分泌されるホルモンとなります。
皮脂分泌量の抑止、バリア機能を構造するセラミドや天然保湿因子の働きを促し、ニキビができづらい、改善しやすい健康な肌を作り出してくれる働きがあるホルモンであり、美容効果を多数持つことから「美のホルモン」とも呼ばれています。
しかし、エストロゲンはプロゲステロンが活発化する生理前に減少してしまう傾向にあり、ホルモンバランスも乱れやすくなってしまいます。
また、食生活の乱れや睡眠不足、ストレスといった内的要因が原因で、ホルモンバランスが崩れるとエストロゲンの働きが低下し、生理前にニキビが発症しやすくなり、生理を過ぎても改善されない場合がありますので、十分に注意して下さい。
生理前のニキビを予防するのであれば、まず生活週間を見直したうえで、足りなくなってしまいがちなエストロゲンを補うようにしましょう。
エストロゲンを増やす成分
生活習慣の乱れが改善しにくい夜勤の仕事などが原因でホルモンバランスが乱れてしまっている方は、生理前のニキビに備えて、エストロゲンを含む、または働きを促進させる栄養素を含む食材を、定期的に摂取すると良いでしょう。
しかし、食事にエストロゲンを配合した食材を取り入れるだけでは、生理前のニキビをしっかり予防しきれない場合もありますので、定期的にストレスを発散し、ホルモンバランスを整えるようにして下さい。
エストロゲンを含む、または働きを促進する栄養素は以下のようなものが挙げられます。
1.イソフラボン
イソフラボンとは、納豆、豆腐、味噌など大豆由来の食材に多く含まれている栄養素です。
その働きはエストロゲンと非常に酷似している為、黄体ホルモンが過剰分泌してしまう生理前でも、イソフラボンを摂取することでホルモンバランスが整い、ニキビの発症を予防する事が可能であり、それ以外にもエストロゲンの分泌量が多すぎると、それを抑える「抗エストロゲン作用」という働きもあります。
生理前ニキビ以外の肌トラブルにも効果的ですので、ニキビ肌に悩んでいる方は積極的に摂取しましょう。
なお、イソフラボンの1日あたりの目安摂取量は40~50mg、食材で補う場合は豆腐半丁(150g)、納豆1パック(60g)が適量です。
また、大豆アレルギーを持っている方は、大豆由来のイソフラボンを摂取するとアレルギー反応が起こり、ホルモンバランスに悪影響を及ぼしたり、肌に炎症を発症させてしまう場合がありますので、注意して下さい。
2.ビタミンE
ビタミンEは、モロヘイヤ、かぼちゃ、アボカドなどの食材に多く含まれているおり、エストロゲンを分泌する卵巣のエネルギーとなる栄養素です。
その為、ビタミンEがが不足してしまうと、エストロゲンが正常に分泌されにくくなってしまい、生理前のニキビが発症しやすくなってしまいます。
ビタミンE不足は生理前ニキビにだけ悪影響を及ぼすという訳ではありませんので、日ごろから食事にビタミンEを含む食材を取り入れるようにしましょう。
ビタミンEは様々な食材に含まれている為、バランスの良い食生活を送っていれば不足してしまうという事はありませんが、肉中心、または野菜の少ない食生活が継続的に行われれば、不足してしまう場合がありますので、注意して下さい。
ビタミンC
ビタミンCは、様々な美容製品などでも用いられている美容成分の代表格となっている成分です。
ニキビケアにも非常に有効な効力を持ち、医療機関での治療でも治らなかったニキビが、ビタミンCを適量摂取することで改善されたという実例もあります。
初期ニキビから炎症を起こしてしまったニキビにまで有効ですので、しっかりと知識を身に着けた上で、正しいビタミンC摂取を行い、ケアを行ってください。
ビタミンCの働き
ビタミンCは、各種ビタミンの中でも最も働きが多いビタミンであり、その大半が、皮膚に関係しています。
適切に摂取すれば美肌維持、肌トラブルに効果的ですが、逆に不足してしまうと肌に多大な悪影響を及ぼしますので、普段から適度に摂取することが重要です。
そんなビタミンCがニキビにもたらす効果は、以下のものが挙げられます。
1ニキビの悪化を止める
初期状態のニキビを放っておくことで発症する「赤ニキビ」の原因は、アクネ菌の増殖と言われていますが、正確には増殖したアクネ菌を撃退する為に発生した大量の活性酸素による強酸化作用が原因です。
過剰に活性酸素が発生してしまうと、強い酸化力で細胞まで酸化させてしまい、結果として炎症を起こし赤ニキビとなります。
そんな活性酸素から細胞を守ってくれる働きをもつ成分が「ビタミンC」です。
ビタミンCには、酸化されやすいという特徴があり、活性酸素などによって細胞が酸化されるよりも優先的に酸化されます。
この働きを「抗酸化作用」といい、ビタミンCが優先的に酸化されることによって、細胞が酸化してしまう事を防ぎ、ニキビが悪化する原因である炎症を初期の段階で食い止めてくれています。
2コラーゲンの合成を促す。
コラーゲンは、体内に取り込むことで一度アミノ酸に分解され、必要な分だけ皮膚で再度コラーゲンとし合成される成分です。
そして、このコラーゲンの再合成を促す重要な役割を持った成分がビタミンCです。
肌の新陳代謝に必要となる細胞の生成を促すコラーゲンは、体内で正常に合成される事により、ニキビの改善や予防だけではなく、色素沈着によってできるニキビ跡の発生も防ぎます。
また、肌の内側からふっくらと持ち上げてくれるコラーゲンは、凹みのあるクレーター型ニキビ跡の修復にも有効な成分です。
ビタミンCが多く含まれる食品
成人男性推奨量 100mg 成人女性推奨量100mg
ビタミンC(mg/100g) | |||||
赤ピーマン | 170 | レモン | 100 | 紫キャベツ | 68 |
黄色ピーマン | 150 | ピーマン | 76 | モロヘイヤ | 65 |
ゆず | 150 | ゴーヤ | 76 | いちご | 62 |
パセリ | 120 | 柿 | 70 | パパイヤ | 50 |
ビタミンCの過剰摂取は大丈夫?
ビタミンCは水溶性ビタミンのため、過剰摂取したとしても不必要な分は尿や汗となって排出されるため副作用が起こる可能性は極めて低いと言えます。
ビタミンCは、健康を維持する為に必要とされる量が800mg、美容に効果的と言われる量は2000~5000mgとなります。
この目安を基準に摂取して頂ければ問題はないと考えて良いでしょう。
しかし、一方では継続的に1000mg以上、または空腹時に2000~3000mgのビタミンCを摂取した場合、ごく稀に下痢や吐き気といった副作用の報告がされています。
これは、ビタミンCを分解するために働く肝臓に負担がかかることが原因です。
以上の副作用以外にも尿路結石、肝臓結石といった症状を起こす可能性が僅かながらあります。
副作用の心配がほとんどないビタミンCですが、もし身体に以上が発生した場合は、摂取量を抑える、継続的ではなく間隔的に摂取するといった工夫を行ってください。
ビタミンB群
ビタミンBには、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビオチンの8種類が存在し、これを総称して「ビタミンB群」または「ビタミンB複合体」と呼ばれています。
このビタミンB群の中でも、ビタミンB2、パントテン酸、ビタミンB6の3種はニキビとの関係が深く、適切な量を摂取すれば食生活だけでもケアや予防を可能としています。
ニキビや肌荒れなどのケアに絶対欠かせない栄養素ともなっていますので、しっかりとビタミンBの知識を身に着け、ニキビケアに役立ててください。
ビタミンB2の働き
ビタミンB2には、三大栄養素でもある炭水化物、たんぱく質、脂質の代謝を促進させる働きがあります。
三大栄養素は身体に必要とされる栄養素の中でも、特に重要とされている成分の総称を言います。
三大栄養素の一つであるたんぱく質は、皮膚のハリを保つコラーゲンや、ターンオーバーを正常に働かせるのに重要とされる各種細胞もビタミンB2から生成されています。
また、ビタミンB2には脂質の代謝をコントロールし、皮脂の分泌量を健康な状態に保つ、または過剰に分泌されている皮脂を正常な状態に戻す働きもあります。
このように、ビタミンB2はエネルギー代謝や細胞の新陳代謝には欠かせない栄養分ですので、これが不足してしまうと、ターンオーバーの乱れ、肌荒れ、ニキビのできやすい肌となってしまいます。
■ビタミンB2が多く含まれる食材
成人男性推奨量1.2mg 成人女性推奨量1.6mg
ビタミンB2(mg/100g) | |||||
豚レバー | 3.60 | 鶏ハツ | 1.10 | 納豆 | 0.56 |
牛レバー | 3.00 | 牛ハツ | 0.90 | 卵黄 | 0.52 |
焼きのり | 2.33 | ウナギ | 0.75 | 舞茸 | 0.49 |
鶏レバー | 1.80 | ウズラの卵 | 0.72 | モロヘイヤ | 0.42 |
パントテン酸の働き
パントテン酸は、補酵素Aを構成する成分として働き、糖代謝や脂質代謝の促進にかかわる重要な栄養素となっています。
補酵素とは、名前の通り、体内での消化活動、新陳代謝などの生命活動を正常に維持するのに必要な「酵素」を助ける働きがある成分です。
その補酵素の一つ、補酵素AはコエンザイムAとも呼ばれ、約140種類もの作用があります。
その中でも代表的なのは、三大栄養素がエネルギーになる為に必要な活性酸素を生成する働きです。
たんぱく質や脂質といった、肌にかかわる栄養祖がしっかりとエネルギーになることで肌の新陳代謝が向上し、ニキビができにくい、または治りやすい状態を維持することが可能です。
その他にも、パントテン酸は、抗ストレスホルモンの一つである副腎皮質ホルモンの働きを促進させ、ストレスへの抵抗力を高めてくれる働きもあります。
ストレスは、自律神経を狂わせる事で活性酸素を過剰に分泌させ、皮膚細胞を傷つける原因になりますので、パントテン酸を適量摂取し、しっかりとストレス対策も行うのが、良いニキビケアと言えます。
■パントテン酸が多く含まれる食材
成人男性推奨量6mg 成人女性推奨量5mg
パントテン酸(mg/100g) | |||||
鶏レバー | 10.10 | 卵黄 | 4.33 | いくら | 2.36 |
豚レバー | 7.19 | 納豆 | 3.60 | 鶏むね肉 | 2.32 |
牛レバー | 6.40 | 鶏ささみ | 3.08 | モロヘイヤ | 1.83 |
鶏ハツ | 4.41 | すじこ | 2.40 | アボカド | 1.65 |
ビタミンB6の働き
ビタミンB6は、皮膚をつくる成分としても重要な、たんぱく質の代謝に大きく関わる栄養素です。
人の身体は、約20%のたんぱく質が占めており、このたんぱく質を構成しているのは20種類のアミノ酸です。
たんぱく質が、胃でアミノ酸に分解されてから体内へ吸収され、皮膚や筋肉など、代謝を促進させるためにタンパク質を必要とする格組織で再合成されます。
ビタミンB6は、タンパク質をアミノ酸へ分解する酵素と、アミノ酸を再合成させる酵素の補酵素として重要な役割を果たしてくれています。
その為、ビタミンB6が不足すると、たんぱく質を必要とする組織に栄養が上手く送られず、肌の新陳代謝の低下、肌荒れ、皮膚炎などのトラブルが多くなる傾向があります。
■ビタミンB6が多く含まれる食材
成人男性推奨量1.4mg 成人女性推奨量1.2mg
ビタミンB6(mg/100g) | |||||
ニンニク | 1.5 | 鶏ひき肉 | 0.68 | 豚レバー | 0.57 |
牛レバー | 0,89 | いわし | 0.68 | さんま | 0.54 |
まぐろ | 0.85 | 鶏レバー | 0.65 | あじ | 0.51 |
かつお | 0.76 | 鮭 | 0.65 | さば | 0.51 |
ビタミンB群の過剰摂取は大丈夫?
ビタミンには、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンという2つの性質があり、基本的に過剰摂取が危険とされているのは、尿や汗と一緒に排出されない脂溶性ビタミンです。
その為、水溶性であるビタミンB群は、不必要な分が汗や尿と一緒に排出されるので、通常の食事で摂取する分には、過剰障害が起こることはほぼありません。
しかし、食事以外にもサプリメントと合わせて、継続的に過剰摂取を続けていると、稀に過剰障害が起こる可能性があります。
特にビタミンB2、ビタミンB6は過剰障害の症状が確認された実例がありますので、症状が発生する可能性が低いと言えども注意が必要です。
ビタミンB2とB6を除く他のビタミンB群はについては、まだ過剰障害の症状が確認された実例はありませんが、どちらにせよ過剰摂取は体に負担をあたえますので、避けるのが良いでしょう。
サプリメントに頼らず、食事だけのビタミンB群を摂取する分には、過剰障害が起こる可能性はありません。
ビタミンA
皮膚を健康な状態に保つ働きがあるビタミンAは、ニキビ予防に役立つ様々な化粧水や薬にも含まれる、ケアには欠かせない成分です。
ビタミンAは動物性由来のレチノール、植物性由来のβ-カロテンの2種類が存在し、レチノールは鶏レバーやうなぎ、あん肝などに多く含まれており、β-カロテンは唐辛子やしそ、ニンジンなどに多く含まれています。
ビタミンAには美肌を作る働きがありますが、適切な量を摂取しなければ効果が薄れたり、逆に害をもたらす可能性もありますので、しっかりとビタミンAの知識を身に着けた上で、食生活に取り入れてみてください。
ビタミンAの効果
ビタミンAには、皮膚の新陳代謝を促進する効果があり、ニキビ治療にかかわってくるターンオーバーの周期を整え、肌を健康状態に維持してくれる働きがあります。
また、皮膚や粘膜を作る生成するのに必要な細胞も作る効果がある為、身体の免疫力を高め、ニキビの原因となるアクネ菌の繁殖も抑制する事ができます。
その為、既に発症してしまったニキビの治療にも役立てる事が可能です。
肌の新陳代謝が促進されれば、ニキビだけではなく、皮膚に沈着したメラニン色素によってできたシミやニキビ跡も排出され、古い角質によってできる角栓もできにくい状態になります。
ビタミンAの摂取と合わせて、洗顔やクレンジングを正しく行うことで、不要な角質が落ち、ニキビができにくいキレイな肌を維持する事ができます。
ビタミンAを摂取しすぎると?
ビタミンAに含まれるレチノールは、身体への吸収率が約90%と高い成分です。
吸収されたレチノールの大半は肝臓へと送られ貯蓄されます。
その為、レチノールを含む食品を過剰摂取すると、それと比例して身体に大量のレチノールが貯蓄されるため、過剰障害の症状が現れ始めます。
主にレチノールの過剰障害は、めまい、吐き気、肌荒れ、睡眠障害、脱門などがあげられます。
また、妊娠している女性がレチノールを過剰摂取した場合、退治が奇形になる危険性がありますので、サプリメントと食事を合わせてレチノールを摂取するのは避けて下さい。
ビタミンAの仲間 「β-カロテン」とは?
野菜類に含まれる植物性由来のβ-カロテンは、プロンビタミンA(ビタミンAになる前の成分)と言われ、体内に入る事でビタミンAに変化する成分です。
β-カロテンは、体内に必要とされる分だけがビタミンAとなって吸収され、必要のない分は体外へと排出される特徴があります。
一日あたりのビタミンA上限摂取量は3000μgREとされていますが、β-カロテンであれば、それ以上の量を摂取しても、体に害が及ぶことはありませんので、非常に安全なビタミンAです。
ビタミンAを多く含むお勧めの食材
レチノール当量(μg/100g) | |||||
鶏レバー | 14000 | ほたるいか | 1500 | 鶏ハツ | 700 |
豚レバー | 13000 | ウナギ(蒲焼) | 1500 | すじこ | 670 |
あん肝 | 8300 | 牛レバー | 1100 | 卵黄 | 470 |
ウナギ(きも) | 4400 | あなご | 890 | いくら | 330 |
β-カロテン(μg/100g) | |||||
味付けののり | 32000 | ニンジン | 8600 | 春菊 | 4500 |
唐辛子 | 17000 | パセリ | 7400 | かぼちゃ | 4000 |
しそ | 11000 | バジル | 6300 | にら | 3500 |
モロヘイヤ | 10000 | ほうれん草 | 5400 | 小松菜 | 3100 |
レチノール当量とは、β-カロテンとレチノールを合わせた効力を、レチノール効力に置き換えたものです。
式にすると「レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン(μg)」で求める事ができ「μgRE」と表記される事もあります。