秋もニキビに注意
多くの紫外線が降り注ぐ夏が終わり、湿度も高すぎる訳でもなければ低すぎる訳でもない秋は、これといってニキビ悪化の要因が見当たらない季節です。
その為、どういったニキビケアを行えばよいか分からない、または怠ってしまいがちな季節でもあります。
しかし、秋という季節はニキビが発症する原因が多く存在する季節です。
秋でも、肌に与える悪影響をしっかりと理解し、しっかりとニキビケアを行うようにしましょう。
秋にできるニキビの原因
秋はニキビの要因が少ないと思われがちですが、実は夏や冬、春がニキビを発症させる要因をすべて含んだ季節です。
その為、秋は総合的なニキビケアを行う必要があります。
秋にスキンケアを怠ってしまえば、もちろん二キビは発生しますし、その状態で大人ニキビが発症・悪化しやすい冬を迎える事となってしまいますので、十分に注意して下さい。
秋がニキビを発症・悪化させる要因は以下のものが挙げられます。
1.花粉
花粉といえば、スギやヒノキの花粉が多く飛散する春のイメージが強いですが、秋でもブタクサやカナムグラといった花粉が多く飛散しています。
花粉のアレルギー症状は、目や鼻などの粘膜に発症するものだと思われがちですが、実は肌にもアレルギー反応が現れる事もあり、ニキビを発症・悪化させる場合も。
特に、夏の紫外線などが原因で、秋の段階でも乾燥肌を改善できていない方は、細菌や外部刺激から肌を守るバリア機能が低下している状態ですので、花粉の影響を受けやすい状態です。
花粉も肌にとっては刺激物となりますので、アレルギー症状が出た事がないという人でも、バリア機能を低下させる原因となる紫外線やストレス、食生活などには注意して下さい。
また、アレルギー体質の方であれば十分な花粉対策が必要です。
2.紫外線
紫外線量が1年で最も多くなるのは、初夏から8月にかけてなのですが、秋も肌に影響を及ぼす量の紫外線が降り注いでおり、ニキビが発症・悪化する可能性があります。
紫外線による外部刺激は、肌のバリア機能を大幅に低下させ、乾燥肌や敏感肌といった肌トラブルの原因に。
また、夏に受けた紫外線の影響で、秋は比較的にバリア機能が既に低下している時期でもありますので、十分な紫外線対策を行い、ニキビの発症・悪化を防ぐ事が大切です。
3.乾燥
秋の終わりが近づく9月末から立冬の前日までにかけて、徐々に湿度はさがり、肌が乾燥しやすい環境となってしまいます。
湿度の低い環境は、角質層を保湿する働きをもつNMF(天然保湿因子)の機能を低下させてしまします。
その為、角質層の水分保持能力も低下してしまい、大人ニキビが発症・悪化しやすい乾燥肌に。
しかし、秋の湿度は真冬と比較すれば、かなり低いという訳でもありませんので、夏場にしっかりと紫外線対策を行っておけば、秋に乾燥肌となってしまう可能性は極めて低いと言えます。
夏の紫外線が影響して、乾燥肌に近い状態になっている方は、しっかりと保湿ケアを行い、秋の乾燥に備えましょう。
秋にできるニキビの対策
秋は、春の花粉や夏の紫外線、冬の乾燥といった各季節のニキビ発症要因が全て揃っている季節ですが、どの要因もニキビに及ぶ悪影響がそれほど強くないというのが特徴です。
しかし、だからといって秋にニキビケアを怠ると様々な肌トラブルを引き起こす事も。
また、秋に肌の状態を改善しなければ、皮膚が弱った状態で乾燥が気になる冬にシフトする事となりますので、その前にしっかりとニキビケアを行いましょう。
秋の発症するニキビの改善・予防方法は以下のものが挙げられます。
1.保湿ケア
夏の強い紫外線で肌が乾燥、またはそれに近い状態となっている可能性が高い秋こそ、十分な保湿ケアを行い、冬の乾燥肌に備える必要があります。
保湿ケアに使用する化粧水やローションは、水分を蒸発させやすいアルコール成分を避け、セラミドやヒアルロン酸といった保湿成分が配合されたものを使うようにしましょう。
また、既にニキビが発症しているという方は、ニキビ用のものを使うと、ニキビの改善と共に、肌の保湿力を保ちながら健康な状態を維持する事ができます。
2.角質ケア
冬に近づくにつれて湿度が低くなる秋は、肌が乾燥しやすく、角質層に存在する保湿成分であるセラミドが減りやすい時期です。
角質層からセラミドが不足すると、水分量が少なく硬い角質が肌表面に溜まってしまい、肌に角栓ができやすい状態に。
その為、定期的に肌表面の古い角質層を落とす、角質ケアが必要となります。
角質ケアは、古い角質を落とすだけではなく、肥厚化した角質を正常に戻す事でターンオーバーの周期を整え、ニキビが発症しにくい肌を作り挙げる事が可能です。
しかし、あまり角質ケアを行いすぎると、肌に必要な分の角質までおち、逆に肌が乾燥しやすい状態になってしまいますので、注意して下さい。
個人で行う角質ケアは、市販のピーリングコスメを使用したり、酵素洗顔を行うといった方法が挙げられます。
鼻ニキビは治りにくい?
鼻にできるニキビは、顎や額などにできるものと比べ、大きく治りにくいのが特徴です。
顔にできるニキビの中でも最も目立つニキビで、毎年のように悩まされる方も多いのではないでしょうか。
また、炎症が激しくなると「ニキビ跡」となってしまう場合もありますので、鼻に初期ニキビが発症し始めたら、その時点で適切なケアを行う事が、早期改善へと繋がります。
鼻ニキビの原因
皮脂の過剰分泌が主な原因となる鼻ニキビは思春期に発症しやすい傾向にあります。
しかし、大人になった後でも鼻に大きなニキビができてしまったという人も決して少なくはありません。
大人になってからでも、皮脂が過剰分泌してしまう場合もありますし、それ以外の事が要因で鼻ニキビが発症してしまう場合もあります。
では、大人になってから発症する鼻ニキビの原因は、どのようなものが挙げられるのでしょうか?
1.毛穴の汚れ
鼻は奥深い毛穴が多く存在しており、他に比べて雑菌などの汚れが溜まりやすい部分でもあります。
そんな鼻に対して、汚れが多く付着しやすい手で触ったり、外出後の洗顔などを怠ってしまうと、毛穴内部に多くの汚が溜まってしまいます。
また、鼻の毛穴は皮脂も溜まりやすい為、それを餌にする雑菌が繁殖してしまい、大きな鼻ニキビができてしまう原因に。
以上の事が要因で発症してしまう鼻ニキビは、炎症を伴った赤ニキビに悪化しやすく、更にそれを手で触れたりしてしまうと、炎症は進み、最終的には跡として残ってしまう場合がありますので、十分に注意して下さい。
2.紫外線による刺激
紫外線を最も浴びやすい鼻は、バリア機能をもつ角質層の構造が崩れやすい為、ターンオーバーの乱れが発生しやすい場所でもあります。
ターンオーバが乱れれば、正常に肌細胞が角質層に送られなくなってしまう為、古くなった角質が剥がれ落ちず皮膚が肥厚化してしまい、毛穴が詰まりやすい状態となってしまいます。
また、紫外線は皮脂を酸化させる働きがある為、鼻の毛穴に詰まった皮脂が酸化することで黒ニキビが多発し、「イチゴ鼻」になってしまう場合も。
紫外線はニキビを発症・悪化させやすい刺激となりますので、特に夏などはしっかりとUVケアを行うようにしましょう。
3.ホルモンバランスの乱れ
慢性的なストレスなどが原因で皮脂分泌量を促す男性ホルモンが活発化する事で、鼻ニキビが発症する場合があります。
また、生理前になると男性ホルモンとよく似た働きをもつ黄体ホルモンが多く分泌される為、これが原因で鼻にニキビができてしまう事も。
鼻は毛穴が深く皮脂も溜まりやすい為、以上の事が要因でニキビが発症しやすい傾向にありますので、ストレスなどで活発化する交感神経を鎮静化させる為にも、定期的にリフレッシュできる時間を設ける事が大切です。
生理前に黄体ホルモンが増え、皮脂が過剰分泌してしまうのは、自然現象である為、個人のケアでホルモンの分泌量を抑える事ができません。
その為、生理前は他の鼻ニキビが発症してしまう原因を対処できるケアを行い、しっかりと予防するようにしましょう。
鼻ニキビの予防・改善方法
鼻ニキビは悪化のスピードが速く、初期ニキビの段階でも油断していると悪化が進み、色素沈着や陥没といったニキビ跡が残ってしまう可能性が高い危険なニキビです。
また、鼻の毛穴に詰まった皮脂は、紫外線などで酸化する事によって黒ずさんでしまい、「いちご鼻」になってしまう事も。
顔の中心にニキビができてしまうため、非常に目立つ厄介なもであるうえに、悪化してしまうと改善までに時間が掛かってしまうので、初期の段階でしっかりとケアを行うようにしましょう。
鼻ニキビの予防・改善として以下のようなものが挙げられます。
1.洗顔
肌表面に分泌される過剰な皮脂が原因となる鼻ニキビには、余分な皮脂を洗い流す事ができる洗顔が一番効果的です。
特に、肌に刺激の少ない「泡タイプ」、肌に刺激的な成分の配合量が少ない「石鹸タイプ」などの洗顔料を使用すれば、なお良い効果が期待できます。
肌の状況にもよりますが、健康な状態の肌であれば1日2回程が目安、乾燥肌や敏感肌の場合は夜に1回の洗顔を目安として行うと良いでしょう。
また、なるべく肌に手やスポンジが接触しないように注意してください。
2.グリチルリチン酸を含む化粧品
グリチルリチン酸とは、市販のニキビケア化粧品にも含まれてるものが多い、抗炎症作用をもつ成分です。
高い抗炎症作用だけでなく、抗アレルギー作用もあるグリチルリチン酸は、刺激に弱い悪化してしまった鼻ニキビの治療に効果的です。
しかし、グリチルリチン酸は、あくまで炎症を抑える成分ですので、ニキビ予防などには効果がありません。
もし、ニキビの改善ではなく、予防として化粧品を選ぶのであれば、余分な皮脂や角質を落とす作用をもつものを選択するようにしましょう。
3.ファンデーションの量を抑える
目立つ鼻ニキビを隠すために、ファンデーションを多く使用してしまう方も多いかと思います。
しかし、油分の多いファンデーションは、毛穴に蓋をしてしまい、結果として毛穴内部の皮脂を閉じ込めてしまう事に。
さらに、ファンデーションの油分が毛穴に流れ込み、余計にニキビが悪化させてしまう原因となってしまいます。
その為、鼻に初期状態のニキビが発症してしまった場合は、なるべくファンデーションの量を抑えるようにしましょう。
また、肌にほとんど負担をかける事のない天然ミネラル成分でできた「ミネラルファンデーション」を使用するのもお勧めです。
4.ビタミンCの摂取
ビタミンCには、ニキビに炎症を引き起こす活性酸素の酸化作用から肌を守る働きや、悪化したニキビによって発症する色素沈着を抑え、ニキビ跡をできにくくする働きがあります。
鼻ニキビは、改善ができたとしても炎症による出血や、メラニン色素によって色素沈着によるニキビ跡が発生してしまう場合が多くあります。
ビタミンCは、鼻ニキビを綺麗に治す為に欠かせない成分ですので、その他のケアと合わせて適量摂取するようにしましょう。
また、ビタミンCの働きを肌内部に届ける事ができる「ビタミンC誘導体」を含むスキンケア用品でケアを行うのも良いでしょう。
脂性肌(オイリー肌)とは
脂性肌とは、なんらかの原因で皮脂の分泌が過剰化してしまい、ベタつきや、テカりがある状態の肌を指します。
乾燥肌とは違い肌の変化がでやすい肌質の為、自分は脂性肌だと自覚しやすいのも1つの特徴です。
ニキビなどの肌トラブルが悪化しやすく、最悪の場合はニキビ跡が残ってしまう可能性もありますので、脂性肌かもしれないと感じた時点でしっかりとケアを始めましょう。
脂性肌の原因
皮脂腺は様々な要因によって皮脂分泌が活発化します。
思春期の場合は、成長に伴って分泌量が増える「男性ホルモン」が皮脂腺を刺激することで、一時的に皮脂の分泌量が活発化する事が主な要因に。
しかし、大人の脂性肌には共通した原因がない為、皮脂分泌量を過剰化させている原因をしっかりと考えて対処していく必要があります。
では、いったい脂性肌になってしまう原因はどのようなものが考えられるのでしょうか?
1.肌の乾燥
一見、乾燥とは無縁のようにも感じる脂性肌ですが、実は乾燥と深い関わりがあります。
紫外線や湿度の低い環境などが原因で角質層の水分が不足しバリア機能が低下すると、皮膚はそれを回復させようと多くの皮脂を分泌します。
以上の事が要因で皮脂の分泌量が増すと、肌表面はテカテカしているのに肌内部は乾燥しているという「インナードライ」の原因に。
インナードライは脂性肌なのですが、根本的な原因は乾燥となりますので、乾燥肌になりやすい夏や冬に皮脂分泌量が増加し始めたら、皮脂を落とす洗顔やクレンジングの頻度を落とし、保湿ケアを行うようにしましょう。
2.偏った食事
人の肌は、普段身体に取り入れる食材の栄養素によって正常な状態を保っています。
その為、皮脂の分泌量をコントロールする為のビタミン不足や、皮脂の分泌量を促進する食材を過剰に摂取すると脂性肌の原因となります。
特に、皮脂の主成分ともなる砂糖、果糖、アルコール、動物性脂肪などを含む食品には注意して下さい。
その他にも血糖値を急上昇させる食品「高GI食品」は、皮脂腺を刺激するホルモンの一つである「インスリン」の分泌量を高める原因に。
主に高GI食品は砂糖を多く含むお菓子やジャガイモ、精白米、パン、麺類などが挙げられます。
3.ホルモンバランスの乱れ
皮脂の分泌を過剰化させるホルモンは、男性ホルモンと黄体ホルモンの2つに分ける事ができ、どちらかが優位になってホルモンバランスが乱れると、脂性肌になってしまう場合があります。
男性ホルモンが優位になってしまう原因は、主に慢性的なストレスが引き起こす交感神経の活発化です。
交感神経が分泌する抗ストレスホルモン「コレチゾール」は、男性ホルモンを刺激する作用があり、これが原因で男性ホルモンが過剰に分泌するので、定期的にしっかりとリフレッシュできる時間を設けるようにしましょう。
黄体ホルモンに関しては、生理の2週間程前になると自然に分泌量が増えてしまう為、個人のケアで分泌量を抑える事はできません。
その為、生理前は生活習慣や食事の質を整え、皮脂分泌を過剰化させるほかの原因の対策をしっかり行うようにしましょう。
脂性肌のケア
脂性肌の原因は思春期の場合、主に一時的なホルモンバランスの乱れな為、自然と改善されます。
しかし、大人の場合は脂性肌となってしまう原因が様々な為、自分にあったケアを行わなければいけません。
ただ皮脂分泌量が多いからといって洗顔やクレンジングの回数を多くするといったケアを行うと、ニキビを悪化させる原因になってしまいます。
脂性肌になった場合は、まず原因となりえるものをしっかりと見極めてからケアを行うようにしましょう。
脂性肌のケア方法は以下のものが挙げられます。
1.保湿ケア
脂性肌といっても肌内部が乾燥している可能性は決して低くありません。
特に皮脂腺が少なく乾燥しやすいUゾーンは、例え脂性肌になっても肌内部が乾燥してしまっている場合が多いので、肌に必要な分だけの皮脂を残しつつ保湿ケアを実施する必要があります。
脂性肌の保湿ケアは、水分を蒸発させやすいアルコールを含むものは避け、保湿に効果的なセラミドやヒアルロン酸が配合されたスキンケア用品を使用するようにしましょう。
また、脂性肌といっても頻度の高い洗顔・クレンジングは不要です。
過度なスキンケアは、肌に必要な皮脂を落とすだけではなく、角質層の構造を崩しバリア機能を低下させてしまう原因ともなりますので、注意して下さい。
2.ビタミンB2・B6の摂取
過剰化した皮脂の分泌を抑えるのに効果的な栄養素はビタミンB2・B6です。
ビタミンB2には脂質の代謝を調整し、過剰に分泌された皮脂を正常な状態に抑える働きを持っており、ビタミンB6には肌の新陳代謝を促す作用がある為、正常ではない肌質を健康な肌へと改善する働きを持っています。
ビタミンB2は、レバー、焼きのり、ウナギ、卵などに多く含まれており、ビタミンB6はマグロ、カツオ、鶏ひき肉、いわしなどに多く含まれています。
脂性肌が原因のニキビに悩む方は、普段の食事にビタミンB2・B6が含まれた食材を取り入れ、なるべく糖分の多いお菓子などは避けるようにしましょう。
混合肌について
混合肌とは、顔の部分によってタイプが異なる肌のことを言います。
例えば、「額はヌルヌルするのに、顎はカサカサと乾燥している」「鼻だけ脂浮きがすごい」といった肌の部分によって乾燥していたり、皮脂が過剰分泌しているような肌です。
額が脂性肌で顎が乾燥肌というもの以外にも、一部だけは乾燥肌、その他は健康な普通肌といった組み合わせでも「混合肌」と呼ばれます。
その為、混合肌の場合は、部分によってはニキビなどの肌トラブルが発症する要因が異なり、ケア方法も臨機応変に行わなければなりません。
特にTゾーンとUゾーンでは肌のタイプが異なりやすいので、しっかりと自分の肌質を確かめてからケアを実施するようにしましょう。
実はほとんどの人が混合肌
顔の全体が乾燥している、もしくは脂っこくなっているという事は実は稀な現象で、大抵の場合はフェイスラインだけが乾燥している、もしくは額や鼻の部分だけが脂っこくなっているという場合がほとんどです。
その為、額が脂っこいから「脂性肌」、顎がカサカサしているから「乾燥肌」と決めつけてケアを行ってしまうと、顔の一部に誤った処置が及び、ニキビが発症・悪化してしまう原因に。
顔の部分によって、ケアを変えなければならないのは多少面倒に感じますが、自分の肌が混合肌である可能性もしっかりと考えた上で、ケアを実施するのが重要です。
また、脂性肌になりやすい部分や、乾燥肌になりやすい部分もしっかりと理解しておけば、今後のニキビ発症を防ぐケアを行う事ができます。
1.Tゾーンは脂性肌になりやすい。
Tゾーンとは、鼻や額、こめかみ周りを指し、皮脂腺が多く脂性肌になりやすい部分です。
特に額は紫外線による刺激を受けやすい為、その刺激がら肌を守る為に皮脂の分泌も活発化し、それが原因で毛穴詰まりを起こしてニキビが発症してしまう事も。
対策としては、通常の脂性肌と同様に洗顔・クレンジングなどが挙げられますが、混合肌の場合は「乾燥肌」の部分が潜んでいる場合もあるので、顔全体にケアを施すのではなく、皮脂が過剰に分泌した部分にのみ適切なケアを行う事が大切です。
また、額は皮脂が過剰分泌してテカっているのに皮膚内部は水分が不足している「インナードライ」が発症してしまう事もあります。
これは、紫外線や摩擦といった外部刺激によってバリア機能が低下し、それが原因で乾燥状態となってしまった肌を守る為に、皮脂が過剰分泌されてしまう事が要因で発症する肌トラブルであり、実は脂性肌に悩む方々のほとんどがインナードライです。
外部刺激に弱い上、毛穴詰まりを起こしやすい肌ですので早急にケアを行うようにしましょう。
2.Uゾーンは乾燥肌になりやすい。
頬や顎といったフェイスラインを指すUゾーンは、皮脂腺が少ない為、バリア機能を持つ皮脂膜が薄く、外部からの刺激を受けやすい部分です。
また、ストレスやホルモンバランスの乱れ、腸内環境が乱れる事によって引きおこるビタミン不足などが要因で、肌の新陳代謝がうまく機能しなくなり、Uゾーンのバリア機能が低下してまう事でニキビが発症・悪化してしまいます。
その為、Uゾーンが乾燥している状態の混合肌になってしまった方は、まずスキンケアを行うよりも、生活習慣を見直すようにしましょう。
それと合わせて、乾燥した肌を改善するセラミド、ヒアルロン酸、天然保湿因子などを含んだスキンケア用品で保湿ケアを行いつつ、皮脂の量が不足したUゾーンのみに油分を補ってあげる事が重要です。
Uゾーンはそもそもバリア機能が弱い部分でもありますので、普通肌の方が突然混合肌になってしまうという可能性も少なくありませんので、普段から肌の保湿を補うケアをしっかりと行うようにしましょう。
混合肌を改善するには?
一見、乾燥肌と脂性肌はまったくの別物なのですが、両方とも根本的な原因は皮膚の乾燥である事がほとんどです。
肌が紫外線や雑菌、摩擦といった外部刺激が原因でバリア機能が低下し、皮膚の水分が蒸散し始めると、Tゾーンはそれを守る為に皮脂を過剰に分泌し、Uゾーンは皮脂栓が少ない為、そのまま乾燥してしまいます。
以上の事が要因で、顔の部分で肌質が変わり、混合肌に。
その為、混合肌は基本的に皮膚の水分を通常の状態に戻す保湿ケアを行い、バリア機能を向上させる事が重要となります。
しかし、ただ単に保湿ケアを行えば混合肌が改善するという訳ではありません。
そもそも皮脂の分泌量が少なく、乾燥が悪化しやすいUゾーンには普段使用している乳液やオイルを重ね付けして油分を補うケアや、保湿成分が配合されたスキンケア用品を使用するといった対策を行いましょう。
また、逆に皮脂が多いTゾーンは油分が少ないスキンケア用品を使用する、定期的にタオルなどで軽く押さえ、余分な皮脂を除去するといった肌質が異なる部位ごとに臨機応変なケアを行うことが混合肌改善への近道となります。
エタノールでアクネ菌は殺菌可能?
ニキビは、詰まった毛穴の内部で繁殖するアクネ菌が主な原因です。
その為、よく傷を殺菌・消毒するのに用いられる「エタノール」でアクネ菌を殺菌しニキビを消す事ができると考える人は少なからずいるのではないでしょうか?
確かに、エタノールを使用する事でアクネ菌を殺菌する事は可能でが、、エタノールを顔につけるのは決してお勧めできません。
では、なぜエタノールを顔につけるのは良くないのでしょうか?
エタノール消毒がもたらす危険
ニキビの改善方法は、アクネ菌を殺菌するのが良いとされていますが、それをエタノールで行おうとした場合、逆に悪化させてしまう原因となる場合があります。
市販の消毒液には、エタノールを含むものがほとんどですので、アクネ菌を殺菌したいという方は注意して下さい。
また、殺菌作用があるとされる化粧水にもエタノールを含むものが多く存在するので、刺激を感じやすい敏感肌、乾燥肌の方は、しっかりと成分表を確認するようにしましょう。
では、なぜエタノールを用いる消毒がニキビを悪化させてしまうのかは、以下の理由が挙げられます。
1.良い菌を大量に殺菌してしまう。
誰の肌にも、その表面には多種の細菌が生息しており、これらの事を総称して「皮膚常在菌」と言います。
聞こえは悪いですが、皮膚常在菌は本来害を持たず、その大半は皮膚に有害な雑菌が入り込まないように肌を守り、ニキビや肌荒れといった肌トラブルの発症を防いでくれています。
アクネ菌も皮膚常在菌の一種であり、あまり良いイメージは持たれませんが、実は皮膚に潤いを与えるグリセリンの生成や、肌を弱酸性に保ち、病原菌から皮膚を守る良い働きを持っています。
その為、殺菌作用の強いエタノールを肌に塗ってしまうと、肌に必要な分の皮膚常在菌が殺菌されてしまい、かえってニキビの原因となってしまう事に。
2.揮発性がある。
揮発性とは、非常に蒸発しやすい液体の性質を指します。
エタノールはこの性質が強く、角質層に含まれる水分もろとも蒸発してしまいますので、内部から肌を乾燥させてしまう原因となってしまいます。
皮膚の水分は、肌を外部刺激から守ったり、水分の蒸発を防ぐ役割を持つ角質層の主な構築材料となる為、揮発性の強いエタノールがニキビや乾燥肌の原因となる事も。
また、水分不足によって角質層の機能が低下すると、それを回復させようと肌細胞の生成が促進し、それが原因でターンオーバーの周期が乱れ、ニキビの出来やすい肌となってしまう可能性もあります。
既に乾燥肌の方や、ニキビを発症している方は、消毒液に限らず、エタノールを含むスキンケア用品などに注意して下さい。
3.刺激がある。
エタノールに含まれる刺激性物質は微々たるものであり、健康な肌であれば刺激を感じる事はありません。
しかし、刺激を感じやすい敏感肌やニキビに直接塗りつけると、炎症が発生してしまう場合があります。
特に、炎症を伴うニキビが既に発症している方は、更に炎症を広げてしまう事もあり、最悪の場合、ニキビ跡として肌に残ってしまう事も。
また、アレルギー反応を起こしてしてニキビの悪化が進むといった可能性も決して低くはありませんので、ニキビに対してのアルコール消毒は避けるようにしましょう。
増えすぎたアクネ菌をエタノール以外で殺菌する方法
アクネ菌を殺菌できる成分が含まれたニキビ用のスキンケア用品は多岐にわたりますが、そのほとんどは化学物質であり、刺激に弱いニキビにはあまりお勧めしません。
もし、アクネ菌を殺菌するケアを行うのであれば、肌への刺激が低い天然殺菌成分を含むものにしましょう。
また、アクネ菌がニキビの原因と決めつけ、アクネ菌の殺菌をし過ぎると、皮膚常在菌が減少し、逆にニキビを悪化させてしまう恐れがありますので、その点は注意して下さい。
増えすぎたアクネ菌を殺菌し、ニキビの改善・防止に効果的となる天然殺菌成分は以下のものが挙げられます。
1.ハチミツ
ハチミツには、強い殺菌消毒作用をもつ「グルコン酸」が含まれており、アクネ菌の繁殖だけではなく、その他の肌に悪影響を及ぼす雑菌の殺菌にも効果的です。
その他、ハチミツが水分を吸収することで発生させる「オキシドール」にも殺菌作用があります。
市販のハチミツを洗顔料に混ぜる、または直接肌に塗ってパックにするといったケア方法がありますが、分量が分からない、少し不安という方はハチミツを含むスキンケア用品を使用してみましょう。
2.ペパーミント(西洋ハッカ)
ペパーミントと言えば、ガムやは歯磨き粉などのフレーバーとしてよく使用されている為、耳にしたことがある方も多いかと思います。
ペパーミントの精油には、抗菌・殺菌作用があり、ローションなどに混ぜて使用したり、ペパーミントが配合されたスキンケア用品を用いる事でアクネ菌を繁殖を防ぐ事が出来ます。
またペパーミントの精油を用いるアロマやハーブティも、炎症を起こしたニキビの症状を抑えるのに効果的ですので、是非実施してみて下さい。
夏ニキビの原因
1年のうちで最も湿度が高く、一見「乾燥肌」とは無縁と思われがちですが、実は夏に発症するニキビの原因は主に肌の乾燥です。
その為、夏場にできるニキビの原因が乾燥肌と疑わずに、誤ったケアを行ってしまい、ニキビを悪化させてしまうというケースが多いようです。
乾燥肌が起こる原因は、湿度だけではありませんので、その点もしっかりと理解したうえで夏場のニキビ対策を行いましょう。
夏に肌が乾燥する理由
湿度の低い乾燥した空気が角質層の水分を奪うというのが、よく知られている乾燥肌の原因です。
これは、間違った情報ではありませんが、角質層から水分が不足してしまう原因は、湿度の低い空気による乾燥だけではありません。
では、一体夏場はどのような事が原因で、肌が乾燥し、ニキビが発症しやすくなってしまうのでしょうか。
1.紫外線による外部刺激
常に多くの紫外線にさらされる夏場は、その刺激から肌を守る為に、バリア機能を持つ角質層が肥大化し、「角質肥厚」の状態となってしまいます。
その為、外部へ剥がれ落ちるはずだった古い角質が残ってしまう事で角質層の構成が崩れ、バリア機能が大幅に低下してしまう原因に。
バリア機能は、外部刺激から肌を守る働きや、肌内部の水分の蒸発を防ぐ働きがあるので、この機能が低下してしまうと、肌内部の水分が蒸発し、乾燥肌となってしまうのです。
また、外部刺激にも弱くなってしまうため、ニキビの悪化、敏感肌、ターンオーバーの乱れといった肌トラブルも発症しやすくなりますので、夏場の紫外線には注意しましょう。
2.洗顔
大量の汗をかきやすい夏場は、べた付きなどの不快感を感じやすく、ついつい過剰な洗顔を行ってしまいがちですが、これも夏の乾燥肌を招く原因の一つです。
過剰な洗顔は、バリア機能をもつ皮脂膜や角質層の構成に必要な分の皮脂や角質を洗い流してしまうため、結果としてバリア機能を構成する成分が不足し、皮膚から水分が蒸散しやすい状態になってしまいます。
また、力強い洗顔も、摩擦による刺激によって角質層が崩れてしまい、バリア機能が低下してしまう原因に。
洗顔の頻度が多くなる夏にこそ、洗顔の回数を減らす、肌に優しい洗顔料を使用するなどといった対策を打ちましょう。
3.急激な温度変化
例えば、エアコンの効いたコンビニから温度の高い外へ出るときの急激な温度変化によって、人は物理的ストレスを感じます。
夏場は、このような急激な温度変化によるストレスを感じやすく、これが繰り返し続くと自律神経の一つである交感神経が非常に優位な状態になってしまう事も。
ストレスが要因で交感神経が優位になると、抗ストレスホルモンの「ステロイド」が分泌されるのですが、このホルモンには肌を乾燥させてしまう作用がありますので、これが過剰分泌されると乾燥肌になりやすく、結果としてニキビが発症してしまうのです。
肌トラブルとは無縁そうな温度変化ですが、実はこれでニキビが発症してしまうという可能性も決して低くはありませんので、注意して下さい。
夏の乾燥肌対策
夏の乾燥肌を招く原因のほとんどは紫外線による肌への刺激です。
特に、外での仕事が多い人や、外出が多い人は、紫外線が肌に及ぼす刺激を大幅にカットする事ができるPA+++、SPF20程のUVケア製品を、適量使用する事で夏の乾燥肌を防ぐ事ができます。
また、日傘や帽子といったものでも、直射日光による紫外線を防ぐ事ができますが、紫外線は壁や地面からも反射して、肌に影響を及ぼしますので、全体的にしっかりと紫外線を防げるケアをしておくようにしましょう。
このように、夏の紫外線を防ぐ対策をするだけで、乾燥肌によるニキビが発症する可能性を大幅に下げる事ができます。
紫外線対策に合わせて、バリア機能を構成する細胞間脂質(セラミド)や、角質層で水分を蓄えるNMF(天然保湿因子)を補助する、保湿クリームや化粧品などを使用してみましょう。
「PA」とは
PAとは、Protection Grade of UVAの略で、シミやシワの発生に大きく関わってくる「紫外線A波(UVA)」の防止効果を表す単位の事を言います。
効果の強い物から++++、+++、++、+の4段階です。
UVAが肌に急激な変化を与えるという事はありませんが、地上に降り注いでいる量が紫外線B派の20倍もあり、雲やガラスを通り抜けやすいという特徴があるため、屋内でも注意が必要してください。
長時間紫外線を浴び続けていると、肌に重要とされるコラーゲンが変性し、上手く新陳代謝が働かなくなってしまうため、肌のバリア機能が低下するだけではなく、ニキビができやすい、悪化しやすい肌となってしまうので、夏場はしっかりと対策しましょう。
「SPF」とは
SPFとは、Sun Protection Factorの略で、赤焼けや水膨れ、皮膚ガンなどの原因ともなる「紫外線B波(UVA)」の防止効果を表す単位を言います。
20分間なにも付けていない肌ど比較して、UVAによる被害が始まる時間を何倍先延ばしする事ができるかという目安となっています。
その為、SPF20のUVケア製品であれば、20分×20で6時間40分となるため、それだけの時間、UVAによる悪影響を抑制できるという計算になります。
UVBのエネルギーは非常に強く、肌表面の細胞を傷つけ角質層の細胞を壊しバリア機能を大幅に低下させたり、既に発症してしまったニキビを悪化させ、跡として残してしまう事も。
しかし、オゾン層や雲などによって遮断される特徴がある為、地上に降り注ぐ量は、全紫外線量の約10%と少量ですので、日傘や防止でもUVAをある程度防止する事が可能ですので、日差しの強い真夏は、肌トラブルを防ぐ為にも対策を行うようにして下さい。
バリア機能とは
「バリア機能」とは、紫外線や摩擦といった外部刺激から肌を守ったり、皮膚内部の水分が蒸発しないように蓋の役割をする肌機能の事を指します。
毎日肌を生まれ変わらせる細胞の働きによって、バリア機能も常に正常な機能を維持していますが、食生活の乱れや、ストレスといった事が原因で、バリア機能は低下しまい、キビや乾燥肌、炎症などの肌トラブルが起こりやすくなってしまいます。
その為、ニキビが出来にくい美肌を維持する為には、まずバリア機能の向上させる、または正常な状態を維持するといったケアを行いましょう。
バリア機能が低下した場合
思春期ニキビの原因は皮脂の過剰分泌ですが、大人ニキビの原因は、ほとんどがバリア機能の低下により引き起こる肌トラブルです。
では、一体バリア機能が低下した場合、肌はどのような状態になってしまうのでしょうか?
1.乾燥肌
バリア機能が低下してしまうと、皮膚内部の水分が蒸散しやすくなり、乾燥肌となってしまう場合があります。
乾燥した皮膚は、毛穴が大きく開き、雑菌や皮脂が詰まりやすい状態です。
更に、水分量が低く、硬い角質を肌表面へと排出する為、角栓が発生しやすく、ニキビが短期間で多発してしまうなんてこと決して可能性が低い話ではありません。
特に湿度の高い真夏は、乾燥肌とは無縁のように思いますが、実はバリア機能が低下乾しやすく、それが要因で乾燥肌になりやすい時期となりますので、十分に注意してください。
2.敏感肌
バリア機能というくらいですので、もちろんこの機能が低下すると、肌が外部刺激を受けやすい敏感肌となります。
敏感肌は、紫外線や雑菌以外にも、通常な肌にはほとんど影響のないスキンケア用品に含まれる成分が原因でニキビを発症させてしまう事も。
ニキビの炎症も広がりやすく、最悪の場合クレータ跡としてのこってしまいますので、もし肌がヒリヒリする、痒みを生じるといった症状が発生した場合は、敏感肌を疑い、バリア機能を回復させるケアを行うようにしましょう。
また、バリア機能の低下が原因で起こる敏感肌は、乾燥肌を伴う事がほとんどであり、この両方の肌トラブルを抱えた状態を「乾燥性敏感肌」と言います。
ニキビが発症しやすく、悪化しやすい厄介な肌質ですので、迅速にケアを行う事が重要となります。
バリア機能の構成要素
バリア機能の役割をもつ要素は、大きく分けて4つあります。
それぞれ違った役割があり、これら全てが正常に機能する事によって、バリア機能の強い肌を維持し、ニキビや乾燥肌といったトラブルを防ぐ事ができます。
バリア機能の要素を理解することで、ニキビができにくい美肌を維持するケアが行いやすくなりますので、しっかりと抑えておくと良いでしょう。
そんな正常なバリア機能を作りあげる4つの要素は、以下のものが挙げられます。
1.皮脂膜
肌の表面を覆う、汗と皮脂から構成された膜を「皮脂膜」と言います。
角質層の水分が蒸発を防ぎ、肌を保湿する働きがある事から、天然のクリームとも言われおり、ニキビ改善には欠かせません。
そんな皮脂膜の働きが低下すると角質層の水分が蒸発し、肌の乾燥を招いてしまうため、結果として水分の少ない硬い角質が肌表面に残り、毛穴を防ぐ角栓ができやすい状態となってしまいます。
皮脂膜の働きが弱まる原因は、主に過剰なスキンケアと言われていますので、洗顔やクレンジングといった、皮脂を落としてしまう可能性が高いケアを過度に行うのは、避けるようにしましょう。
2.角質層
角質細胞が重なる事によって構成された、皮膚最上部の層を「角質層」といいます。
皮脂膜と同様、保湿や外部刺激を防ぐ働きを持っていますが、それが何層にもなって機能している為、皮脂膜よりバリア機能が強いです。
健康な皮膚であれば、奥深くに位置する真皮層から生成される細胞によって、常に角質層は新しいものへと生まれ変わり、古くなった角質細胞は、垢となって外部へ剥がれ落ちる為、常に正常なバリア機能を保つことが可能に。
しかし、栄養不足やストレスといった事が原因で、真皮層から生成される細胞の周期が乱れ、角質細胞が減ってしまい、結果としてバリア機能は低下します。
角質層を構成する細胞の生成を促進させる場合は、ビタミンCやビタミンB、その他タンパク質といった成分を含んだ食材を、定期的にとるようにしましょう。
3.NMF(天然保湿因子)
「NMF」は、空気中や、真皮層から生成される水分を吸収し、肌に潤いやツヤを与え、乾燥から肌を守るために働く成分のことです。
肌の保湿が正常に行われる事で、乾燥肌防止だけではなく、毛穴を引き締めニキビができづらい肌を維持する事にも繋がります。
角質層と同様、真皮層から生成される成分や水分によって構成されている為、真皮層の働きが低下すると、NMFの量も低下しますので、角質層と同様、細胞を促進させる作用をもつ成分を定期的に摂取するようにしましょう。
また、NMFは様々なスキンケア用品に含まれていますので、ニキビが発症・悪化しやすい、肌がヒリヒリするといった症状を感じている方は、使用してみて下さい。
4.細胞間脂質(セラミド)
「細胞間脂質」とは、強いバリア機能を持つ角質層の細胞と細胞を繋ぐ脂質です。
簡単に言ってしまうと、レンガブロックを固定するセメントと同じ役割をもっている成分となります。
その為、細胞間脂質が減少してしまうと、角質層を構成する角質細胞が崩れ、バリア機能は大幅に低下し、ニキビ発症の原因へと繋がりますので、乾燥肌・敏感肌の方は、セラミドも意識してケアを行ってください。
セラミドもターンオーバーによって生成されている為、細胞生成を促進させる成分でセラミド不足を改善し、バリア機能を向上させる事が可能です。
また、NMF同様、様々なスキンケア用品に含まれている成分でもありますので、使用してみましましょう。
インナードライとは
インナードライとは、皮膚表面は皮脂が過剰に分泌されているのにも関わらず。皮膚内部の水分が不足し乾燥状態になってしまっている乾燥肌の一種です。
肌の表面上は、皮脂の過剰分泌によりテカテカしている為、普通に見ただけでは脂性肌と勘違いしやすく、間違ったケアを行ってしまいがちなので、注意が必要です。
皮脂の過剰分泌、肌の乾燥とニキビの原因となる要因を2つももっている肌ですので、インナードライの原因をしっかりと理解した上で、正しいケアを行ってください。
インナードライの原因
インナードライは、皮脂が過剰分泌されている状態の肌ではありますが、その正体は乾燥肌です。
その為、インナードライとなる原因は乾燥肌と同様、紫外線の刺激や過剰な洗顔によるバリア機能の低下、湿度の低い環境による角質層の乾燥などが要因で発症する症状となります。
このように、バリア機能が著しく低下し、刺激を受けやすい状態となってしまった場合、その刺激から肌を守る為に皮脂を分泌しバリア機能を高めようと働きます。
その結果、その働きを「皮脂の過剰分泌」と勘違いし、脂性肌に効果的な洗顔やクレンジングに力を入れてしまったりすると、更に肌はバリア機能が低下し、再び外部からの刺激から肌を守ろうと皮脂を分泌します。
この悪循環によって引きおこるのがインナードライです。
インナードライを見極めるには?
インナードライを改善する為に重要なのは、自分の肌がインナードライなのかどうかを見極められるかどうかです。
実はインナードライという肌は、脂性肌よりも発症する可能性が圧倒的に高く、「脂性肌かも?」とおもっている方は、まずインナードライと疑って良いでしょう。
しかし、必ずしもインナードライと決めつけ、乾燥肌のケアを行うのは危険です。
まずは、しっかりとインナードライなのか脂性肌なのかを見極めてから、正しいスキンケアを行ってください。
インナードライを見極める方法は、以下のものがお勧めです。
■インナードライを見極める方法
まずはクレンジングでメークをしっかりと落とした後に、洗顔を行ってください。
洗顔後は化粧水や保湿液などを付けず、そのまま10~15分程、放置しておきます。
その後、肌がどのような状態かを観察してください。
鏡で自分の肌を見た感じ、すこしテカテカしている、皮脂が浮いているという状態だった場合は「脂性肌」です。
いつも浮いている脂が浮いていない、すこしカサカサするといった状態だった場合は「インナードライ」となります。
インナードライの改善方法
インナードライは名前が違えど乾燥肌です。
その為、肌内部の水分不足による乾燥を改善するスキンケア方法が効果的です。
しかし、肌表面の皮脂は過剰に分泌されている状態ですので、その点もしっかりと視野にいれたスキンケアが必要です。
インナードライを改善する方法は以下のものが挙げられます。
1.洗顔
肌を保湿する低刺激な洗顔料をしようして洗顔を行うことで、肌内部の水分を保ち、インナードライを改善させる事が可能です。
また、過剰に分泌された余分な皮脂も洗い流す事ができますので、角栓の発生や、毛穴詰まりによって発症するニキビなどを予防・改善する事ができます。
しかし、皮脂を多く洗い流す作用をもつ洗顔料やクレンジング剤などを使用すると、角質層にダメージが及び、肌を守ろうと再び皮脂が過剰分泌し、悪循環を繰り返しますので注意して下さい。
2.保水
肌内部の水分が不足しているインナードライには、肌の潤いを保つ保湿に加え、肌内部の水分を保つ保水ケアを行うのが効果的です。
ヒアルロン酸、トレハロース、セラミドなど、保水効果をもつ成分が配合されている化粧水や化粧液などを使用してスキンケアを継続的に行うと良いでしょう。
また、化粧水などに含まれるアルコールは、肌を引き締める、浸透性を高めるといった効果をありますが、肌の水分と一緒に蒸発してしまったり、肌に刺激を与えてしまうというデメリットがありますので、ニキビが発症しやすく、肌が乾燥状態にあるインナードライには向いていません。
3.紫外線対策
肌の角質層に刺激を与え、バリア機能を低下させる事で肌内部の水分が蒸発しやすい状態にしてしまう紫外線には注意が必要です。
インナードライによる皮脂過剰分泌の原因は、外部刺激から肌を守ろうとする体の働きであり、肌に最も刺激を与えてしまうのは紫外線となります。
特に真夏などは、汗を洗い流す為に洗顔などの量が多くなり、紫外線の量も多い季節ですので、インナードライになりやすい季節です。
真夏に長時間外出する事が多い人は、PA+++、またはSPF20程度のUVケア製品を適度に使用することで、紫外線の外部刺激を十分にカットする事ができ、ニキビができやすく、インナードライの根本的原因である乾燥肌を防ぐ事が可能です。
また、敏感肌でUVケア製品が合わないという人は、肌へ負担がかからない、日傘や帽子といったものを代用して紫外線対策を行うのも良いでしょう。
敏感肌
よく、ニキビが発症する原因として敏感肌という肌トラブルを挙げられる事があり、現代女性の7割は「私は敏感肌だ」と感じているようです。
しかし、敏感肌は、水分不足で引きおこる乾燥肌や、皮脂の過剰分泌で引きおこる脂性肌と違い、それといった明確な原因が不明確で、どのようなスキンケアを行えばよいか分からないという方も多いのではないでしょうか。
敏感肌は、普通の肌と比較して刺激を受けやすく、ニキビなどの肌トラブルを発症しやすい状態ですので、原因をしっかりと理解した上で、正しいスキンケアを行いましょう。
敏感肌ってなに?
敏感肌は、その名の通り肌が敏感な状態になっており、健康な肌と比較して、刺激のつよい洗顔料や化粧品、紫外線のダメージで荒れや炎症、ニキビなどの肌トラブルが発生しやすく、衣類をきているだけで痒みやピリピリとした痛みを感じてしまう肌です。
最近では、こういった敏感肌に悩む人の為に「敏感肌用」のニキビケア用品や化粧水、洗顔料などが販売されているほどです。
しかし、実は敏感肌という言葉の定義はなく、普通の肌に比べて、外部刺激による炎症やニキビ、痒みといった反応が起こりやすい肌を一般的に敏感肌と呼ばれています。
その為、皮膚科などの専門家に受診しても、敏感肌であるというのが判断できないのが実際のところです。
敏感肌と乾燥肌は同じ?
乾燥肌は外部刺激によるダメージを受けやすくなり、ニキビや肌荒れといったトラブルを引き起こしやすくなるといった、敏感肌と症状が非常に似ている為、敏感肌=乾燥肌と考える方が多くいるのではないでしょうか。
実際のところ、多くの方が考える通り敏感肌の原因は、ほぼ「乾燥」です。
皮膚は強い紫外線や誤ったスキンケアといった外部刺激、または湿度の低い環境が原因で、肌の水分を保持する「セラミド」が肌外部に蒸発し肌内部の乾燥が始まります。
セラミドは、肌を外部刺激から守る「バリア機能」を作る成分である為、これが減ってしまうと、細菌や紫外線、花粉といった外部刺激から肌を守るバリア機能の強度が著しく低下し、結果として抵抗力の弱い「敏感肌」となります。
敏感肌は医学的な言葉ではなく、刺激による反応を起こしやすい肌を一般的に敏感肌とよんでいるので、同様の症状をもつ乾燥肌を「敏感肌」と考えるのも間違いとは言えません。
しかし、敏感肌の原因が必ずしも「肌の乾燥」という訳ではありませんので、その点は注意して下さい。
敏感肌を改善するには?
敏感肌の根本的な原因は、肌の刺激に対する抵抗力が弱まってしまう事であり、主に肌を外部刺激から守っているのは、肌表面の「皮脂膜」と肌内部の「角質層」がもつバリア機能です。
その為、敏感肌によるニキビなどに悩んでいる方は、まずバリア機能を正常な状態に維持、または回復させるケアを実施して下さい。
バリア機能を正常な状態に維持、または回復させるセルフケアは以下のものが挙げられます。
1.肌の保湿・保水
敏感肌の改善だけではなく、ニキビの予防・改善にも非常に効果的なケアが「保湿ケア」です。
肌の乾燥が原因で起こっている敏感肌には、アミノ酸、ミネラル、セラミドといった保湿成分を含んだニキビケア用品や化粧品などを用いて、保湿ケアを正しく継続的に行う事で改善する事が可能です。
アミノ酸やミネラルは、水分の吸収率が高いNMF(天然保湿因子)の成分であり、保湿効果だけではなく、不足した水分を補水する役割があり、角質層の乾燥によって弱まってしまったバリア機能を回復させてくれます。
セラミドは、角質層の細胞と細胞を繋ぐ接着剤の役割をもっており、肌内部へ紫外線や摩擦といった外部刺激が及ぶことを防ぎます。
2.必須脂肪酸の摂取
必須脂肪酸は、バリア機能を持つ角質層を構想する細胞を生成する上で欠かせない脂肪酸です。
角質層は、皮膚の奥深くに位置する基底層から常に生成されている細胞によって構成されており、古くなっ角質は新しい細胞によって、自動的に肌の外部へ押し出さるを繰り返し、常に正常な状態を保っています。
しかし、基底層の細胞生成スピードが、生活習慣の乱れやストレスなどの内的要因によって遅れてしまうと、古い細胞が角質層に残ってしまい、結果としてバリア機能が弱い敏感肌となってしまいます。
このような現象を改善・予防する働きを持っているのが必須脂肪酸です。
必須脂肪酸は、オメガ6系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸が存在し、3対1というバランスで摂取するのが理想的で、片方を過剰摂取している、または不足していまうと、バリア機能が弱まる原因となりますので注意してください。
オメガ6系脂肪酸は、ゴマ油、サラダ油、マヨネーズ、べにばな油に多く含まれており、オメガ3系脂肪酸はイワシ、マグロ、サーモンといった魚類に多く含まれています。
3.アレルギー体質の人はアレルゲンに注意
敏感肌は乾燥だけではなく、アレルギーが原因でもともと肌が弱い先天性の場合もあります。
本来、ニキビ悪化の主な原因とはなりにく花粉やハウスダストなどでも、アレルギー型の敏感肌である場合は非常に注意が必要です。
もし、敏感肌によるニキビ対策をしているのにも関わらず、ニキビが悪化してしまったり繰り返し発症するといった症状がある場合は、アレルゲンをなるべく吸引・付着させない対策を実施してください。
色素沈着とは
ニキビが発生していても、自然に治ると考え放置したり、早く治したいが為に過剰な洗顔や、薬の使いすぎなど、誤ったケアを行うと色素が肌に沈着し、シミのように残ってしまう可能性があります。
このシミがニキビによる色素沈着であり、「ニキビ跡」と言われているものの一つです。
正しいケアを行わなければ、炎症が肌の奥深くにある真皮・皮下組織までダメージを広げ、色素沈着へと繋がります。
見た目や多きさは人それぞれで、ほとんど目立たない色素沈着もあれば、色味が濃く、目立ってしまうものもあります。
また、色素沈着によってできたニキビ跡は、完全に消すのが難しいのも特徴です。
ニキビ跡の色によって原因が違う
■茶色のニキビ跡
茶色いニキビ跡の主な原因はメラニン色素です。
日焼けやシミの原因として有名な色素なので、存知の方も多いかと思います。
メラニン色素と言われると、悪いイメージを抱く人が多いのですが、実は、肌に紫外線や有害物質などの刺激が起こると生成され、皮脂組織を外部の刺激から守る働きをしてくれます。
ニキビの場合も同じで、炎症などにより発生する活性酸素から肌を守る為に、メラニン色素が過剰に生成されます。
本来であればターンオーバーにより排出され、古い角質となって肌から剥がれ落ちていくので、メラニン色素がシミになるという事はありません。
しかし、炎症を放置したり、誤ったケアを行うと、肌の細胞が壊され、ターンオーバーが正常に行われず、排出されるはずのメラニン色素が肌に残ったままになってしまいます。
その結果、過剰に発生したメラニン色素は、茶色い色素沈着となってしまうのです。
■赤黒いニキビ跡
赤黒いシミの主な原因は、血液に含まれるヘモグロビンです。
通常であれば、毛穴周辺にのみできる炎症ですが、放置したり、悪化させる事によって、肌深くにある真皮、皮膚組織にまで炎症が拡大してしまいます。
その結果、炎症によって真皮や皮膚組織に通っている毛細血管が壊され、出血を引き起こします。
毛細血管が破壊された事によって流れ出た血液に含まれる赤色のヘモグロビンが真皮、皮膚組織に沈着する事で赤黒いシミができてしまうのです。
色素沈着によってできたニキビ跡は治らない?
ニキビ跡に効果がある化粧品や薬を正しく使用し、長い期間ケアを続ければ、シミの色を薄くする事は可能です。
また、赤黒いニキビ跡のように、ヘモグロビンが原因でできた場合は、新しく形成される毛細血管により排出されるので、しばらくすると、色が薄くなる場合がほとんどです。
しかし、肌の奥深くにある真皮や、皮膚組織にできたシミは、自分で行うケアだけでは完全に消す事が困難です。
特に大きなニキビ跡や、色の濃いニキビ跡は尚更です。
目立つシミの場合は、皮膚専門の医者が所属する病院やクリニックで相談し、ケアしてもらう事がお勧めです。
早めの相談によって、ニキビ跡が消えるまでの時間が短くなり、綺麗に消える場合がほとんどです。