アクネ菌とは
アクネ菌とは、ニキビを引き起こす原因ともなる細菌の事を言い、正式名称はプロピオバクテリウム・アクネスと言います。
化粧品などのCMでアクネ菌という言葉を耳にした事がある人は多いでしょう。
アクネ菌と聞けば悪い菌というイメージがありますが、アクネ菌は誰の肌にも存在する皮膚常在菌の一つで、通常は肌に害を及ぼす事はなく病原性がある微生物の繁殖を抑える働きを持っています。
しかし、偏った食生活や睡眠不足が引き起こすホルモンバランスの乱れが皮脂を過剰に分泌させ、毛穴が塞がってしまうようなことがあった場合、塞がってしまった毛穴のなかでアクネ菌が増殖しニキビとなってしまうのです。
アクネ菌の特徴
アクネ菌は「酸素を嫌い、皮脂を好む」という特徴を持っています。
ホルモンバランスの乱れによって皮脂が詰まってしまった毛穴は酸素が入りにくく、皮脂も溜まっているのでアクネ菌にとっては最高の環境となっています。
毛穴に溜まった皮脂を食べる事でアクネ菌が増殖することでリパーゼが皮脂を分解し、過剰にグリセリンと遊離脂肪酸が作られます。
この遊離脂肪酸が肌を刺激することでニキビができてしまうのです。
リパーゼとは、中性脂肪(ドリグリセリド)を分解する働きがあり、脂肪細胞内に溜まった中性脂肪が分解され遊離脂肪酸となります。
遊離脂肪酸は皮膚の表面で弱酸性になることができるので病原菌を防ぐ事ができるのですが、大量に滞留することで皮膚に刺激を与え、痒みや炎症を引き起こします。
簡単に説明すると、毛穴の中にいるアクネ菌が増殖する事で大量に脂肪酸が作られ、それが肌を刺激する事によって炎症を起こしニキビになるという事です。
アクネ菌は悪い菌ではない
アクネ菌=悪い菌という訳ではありません。
アクネ菌には皮脂を食べる事で遊離脂肪酸とグリセリンに分解する働きを持っており、先ほど説明した通り遊離脂肪酸は肌の表面で弱酸性になることができるので、病原菌から肌を守ってくれます。
そしてグリセリンは、肌の潤いを保つ働きがあり保湿剤をふくむ化粧水にも使われている肌の味方です。
しかし、どちらも多すぎは肌に悪影響を及ぼします。
普段、アクネ菌が行っている良い働きは目に見える変化を与える事が少ないのですが、毛穴に詰まって増殖してしまった悪玉菌の働きは、目に見える変化を与えます。
その為、アクネ菌=悪い菌と勘違いされやすいのですが、決してそういう訳ではありません。