食事の質はニキビの原因に
ニキビが発症してしまう原因の一つとして「食事の質」が挙げられます。
食事の質が悪ければ、肌に必要なビタミンが不足してしうなどの影響が及び、様々な肌トラブルの原因となります。
ニキビのケアを行うのであれば、根本的原因である可能性が高い食事の質を見直してみましょう。
では、一体どのような食べ物に気を付けて食事の質を見直せばよいのでしょうか。
ニキビを発症させやすい食べ物
食事の質が原因で発症するニキビは、どんなに適切なスキンケアを行っても改善が長引いてしまったり、悪化してしまったりする可能性があります。
また、食事が肌に及ぼす悪影響は、すぐに見える変化があるわけでもありませんので、なかなかニキビの原因と確定づけるのが難しいという厄介な特徴もあります。
もし、栄養が偏りがちかもしれないという自覚があるのであれば、しっかりと普段口にする食事を意識してみて下さい。
ニキビを発症、または悪化させてしまう可能性が高い食事は主に以下のものが挙げられます。
1.食品添加物を多く含くむ物
食品添加物とは、「甘味料」「着色料」「酸化防止剤」など、食品を長持ちさせたり、香りや色合いなどを良くするために使用されている「合成化学物質」の事を指します。
多くの食品に含まれる食品添加物が体内に取り込まれると、身体が「異物」と判断し、それを撃退する為に活性酸素が多く生成されます。
活性酸素は、体内に取り込まれた細菌などの遺物を撃退する強い酸化作用を持っているのですが、これが多く生成されると、その酸化作用が肌細胞にまでダメージを与えてしまい、ニキビが発症・悪化してしまう原因に。
また、老廃物や毒素として体内に蓄積される食品添加物は、最終的に肌へと排出され、直接皮膚へ刺激を与えてしまう場合もありますので、多く摂取するのは避けるようにしましょう。
2.糖分を多く含む物
ケーキやチョコレートといったお菓子に多く含まれる「糖分」は、人が生きていく上で欠かせない成分なのですが、これを過剰に摂取してしまうとニキビの原因となります。
糖分は、体内で「ビタミンB1・ビタミンB2」にエネルギーとして分解されるのですが、これが多すぎると分解されず「中性脂肪」として体内に蓄積され肌に大きな負担となってしまう事も。
中性脂肪は皮脂の主成分となりますので、体内に多く蓄積されれば皮脂の過剰分泌が起こり、毛穴詰まりによるニキビが発症しやすくなります。
また、糖分を分解するビタミンB群は皮脂分泌量のコントーロール、ターンオーバーを正常に保つ作用といった肌を健康な状態に保つのに欠かせないビタミンとなりますので、これが不足してしまうとニキビが発症・悪化しやすい肌となってしまうので、ニキビ肌の方は注意して下さい。
3.塩分を多く含む物
塩分は主に高血圧の原因としてよく取り上げられる成分ですが、実は肌にも悪影響を及ぼし、ニキビを発症させてしまう場合があります。
塩分は体内の水分を奪ってしまう作用を持っており、あまり過剰に摂取してしまうと、角質層の水分を吸い取ってしまい、ニキビが発症しやすい乾燥肌になってしまう事があるのです。
また、塩分は血液を濃くしてしまう作用も持っていますので、身体はそれを水分で薄める為に喉を乾かし、それが要因で必要以上に水を摂取してしまう事で腎臓に負担を与えてしまう事も。
腎臓には、老廃物や毒素を尿として体外へ排出する役割を持っている為、腎臓機能が低下されると、老廃物や毒素が肌へと排出され、ニキビを発症・悪化させてしまう原因となりますので、塩分を多く摂りすぎているかもしれないと自覚がある方は、しっかりと対策を行ってください。
4.辛味の強い物
痛みを感じる程の辛い食べ物を取り込んだ際、脳はそれを「異常な物」と判断し、通常よりも多くの胃液を分泌し、胃腸に大きな負担を与えてしまいます。
胃では、食物を吸収しやすい状態まで分解され、それが小腸で栄養分となって身体に吸収されますので、これらの機能が低下してしまうとビタミン不足に陥ってしまう可能性が高く、肌の新陳代謝が正常に機能しなくなってしまうのです。
また、辛い食べ物を食べる際、それが口周りに付着することで、直接肌に刺激を与えてしまい、ニキビを発症させてしまう可能性も少なからずありますので注意して下さい。
しかし、辛い食べ物は適量であれば新陳代謝をアップさせる作用もある為、食べ過ぎ、または辛すぎない物であれば、逆に肌を健康に保つ事もできます。
バランスの良い食事がニキビの予防・改善に
ニキビを発症させやすい食べ物は様々ですが、どれも取れば絶対に肌に悪いという物ではなく、そのほとんどは適量であれば体に良い、または肌にそれほど影響のない物ばかりです。
もし、食事の質が原因でニキビが発症しているのではないかと感じている方は、普段の食事をメモするなどして、栄養が偏っていないかなどをしっかりと見直す事も効果的なニキビ対策となります。
また、仕事の関係などで十分な栄養素が取り入れられずニキビが発症しやすいという方は、サプリメントなどを利用して栄養素を補うといった対策を打ちましょう。
ビタミンB群
ビタミンBには、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビオチンの8種類が存在し、これを総称して「ビタミンB群」または「ビタミンB複合体」と呼ばれています。
このビタミンB群の中でも、ビタミンB2、パントテン酸、ビタミンB6の3種はニキビとの関係が深く、適切な量を摂取すれば食生活だけでもケアや予防を可能としています。
ニキビや肌荒れなどのケアに絶対欠かせない栄養素ともなっていますので、しっかりとビタミンBの知識を身に着け、ニキビケアに役立ててください。
ビタミンB2の働き
ビタミンB2には、三大栄養素でもある炭水化物、たんぱく質、脂質の代謝を促進させる働きがあります。
三大栄養素は身体に必要とされる栄養素の中でも、特に重要とされている成分の総称を言います。
三大栄養素の一つであるたんぱく質は、皮膚のハリを保つコラーゲンや、ターンオーバーを正常に働かせるのに重要とされる各種細胞もビタミンB2から生成されています。
また、ビタミンB2には脂質の代謝をコントロールし、皮脂の分泌量を健康な状態に保つ、または過剰に分泌されている皮脂を正常な状態に戻す働きもあります。
このように、ビタミンB2はエネルギー代謝や細胞の新陳代謝には欠かせない栄養分ですので、これが不足してしまうと、ターンオーバーの乱れ、肌荒れ、ニキビのできやすい肌となってしまいます。
■ビタミンB2が多く含まれる食材
成人男性推奨量1.2mg 成人女性推奨量1.6mg
ビタミンB2(mg/100g) | |||||
豚レバー | 3.60 | 鶏ハツ | 1.10 | 納豆 | 0.56 |
牛レバー | 3.00 | 牛ハツ | 0.90 | 卵黄 | 0.52 |
焼きのり | 2.33 | ウナギ | 0.75 | 舞茸 | 0.49 |
鶏レバー | 1.80 | ウズラの卵 | 0.72 | モロヘイヤ | 0.42 |
パントテン酸の働き
パントテン酸は、補酵素Aを構成する成分として働き、糖代謝や脂質代謝の促進にかかわる重要な栄養素となっています。
補酵素とは、名前の通り、体内での消化活動、新陳代謝などの生命活動を正常に維持するのに必要な「酵素」を助ける働きがある成分です。
その補酵素の一つ、補酵素AはコエンザイムAとも呼ばれ、約140種類もの作用があります。
その中でも代表的なのは、三大栄養素がエネルギーになる為に必要な活性酸素を生成する働きです。
たんぱく質や脂質といった、肌にかかわる栄養祖がしっかりとエネルギーになることで肌の新陳代謝が向上し、ニキビができにくい、または治りやすい状態を維持することが可能です。
その他にも、パントテン酸は、抗ストレスホルモンの一つである副腎皮質ホルモンの働きを促進させ、ストレスへの抵抗力を高めてくれる働きもあります。
ストレスは、自律神経を狂わせる事で活性酸素を過剰に分泌させ、皮膚細胞を傷つける原因になりますので、パントテン酸を適量摂取し、しっかりとストレス対策も行うのが、良いニキビケアと言えます。
■パントテン酸が多く含まれる食材
成人男性推奨量6mg 成人女性推奨量5mg
パントテン酸(mg/100g) | |||||
鶏レバー | 10.10 | 卵黄 | 4.33 | いくら | 2.36 |
豚レバー | 7.19 | 納豆 | 3.60 | 鶏むね肉 | 2.32 |
牛レバー | 6.40 | 鶏ささみ | 3.08 | モロヘイヤ | 1.83 |
鶏ハツ | 4.41 | すじこ | 2.40 | アボカド | 1.65 |
ビタミンB6の働き
ビタミンB6は、皮膚をつくる成分としても重要な、たんぱく質の代謝に大きく関わる栄養素です。
人の身体は、約20%のたんぱく質が占めており、このたんぱく質を構成しているのは20種類のアミノ酸です。
たんぱく質が、胃でアミノ酸に分解されてから体内へ吸収され、皮膚や筋肉など、代謝を促進させるためにタンパク質を必要とする格組織で再合成されます。
ビタミンB6は、タンパク質をアミノ酸へ分解する酵素と、アミノ酸を再合成させる酵素の補酵素として重要な役割を果たしてくれています。
その為、ビタミンB6が不足すると、たんぱく質を必要とする組織に栄養が上手く送られず、肌の新陳代謝の低下、肌荒れ、皮膚炎などのトラブルが多くなる傾向があります。
■ビタミンB6が多く含まれる食材
成人男性推奨量1.4mg 成人女性推奨量1.2mg
ビタミンB6(mg/100g) | |||||
ニンニク | 1.5 | 鶏ひき肉 | 0.68 | 豚レバー | 0.57 |
牛レバー | 0,89 | いわし | 0.68 | さんま | 0.54 |
まぐろ | 0.85 | 鶏レバー | 0.65 | あじ | 0.51 |
かつお | 0.76 | 鮭 | 0.65 | さば | 0.51 |
ビタミンB群の過剰摂取は大丈夫?
ビタミンには、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンという2つの性質があり、基本的に過剰摂取が危険とされているのは、尿や汗と一緒に排出されない脂溶性ビタミンです。
その為、水溶性であるビタミンB群は、不必要な分が汗や尿と一緒に排出されるので、通常の食事で摂取する分には、過剰障害が起こることはほぼありません。
しかし、食事以外にもサプリメントと合わせて、継続的に過剰摂取を続けていると、稀に過剰障害が起こる可能性があります。
特にビタミンB2、ビタミンB6は過剰障害の症状が確認された実例がありますので、症状が発生する可能性が低いと言えども注意が必要です。
ビタミンB2とB6を除く他のビタミンB群はについては、まだ過剰障害の症状が確認された実例はありませんが、どちらにせよ過剰摂取は体に負担をあたえますので、避けるのが良いでしょう。
サプリメントに頼らず、食事だけのビタミンB群を摂取する分には、過剰障害が起こる可能性はありません。