活性酸素
活性酸素は、普段人間が生命を維持する上では欠かせない「酸素」に含まれる分子が、より反応性の高い化合物に変化したものの総称を言います。
非常に強い酸化力をもつことから、炎症を持った赤ニキビの原因、ターンオーバーの周期を乱す原因としてよく挙げられています。
その為、一般的に活性酸素は肌に悪いというイメージが強く持たれています。
しかし、実際のところ活性酸素が必ずしも肌に悪いという訳ではありません。
活性酸素がニキビから肌を守る
活性酸素はニキビや肌荒れといった肌トラブルを引き起こす原因というのは事実です。
しかし、それは活性酸素が過剰発生した際に報告されているトラブルであり、普段はニキビの原因となるアクネ菌などから肌を守る働きをもっています。
活性酸素がもつ酸化作用は、非常に強い殺菌・抗菌作用をもっており、アクネ菌の量を適量に保つ働きがあります。
もちろん、アクネ菌だけではなく、体に害を及ぼす様々な細菌などの不純物を殺菌・消毒するのも活性酸素の役割です。
活性酸素はニキビになぜ悪影響なのか?
活性酸素が、ニキビを悪化させる原因は殺菌・消毒作用をもつ強い酸化力にあります。
毛穴が詰まって発症したニキビの内部では、増殖を続けるアクネ菌を撃退する為に、多くの白血球が働き始めています。
そんな白血球が、アクネ菌を撃退する為に利用しているのが活性酸素です。
アクネ菌の増殖に伴って、過剰発生する活性酸素は、その強すぎる酸化力がゆえに肌細胞までダメージを与えてしまい、結果として炎症を引き起こしてしまうのです。
アクネ菌が増殖する事いよって過剰発生する活性酸素ですが、それ以外にも発生を促進する原因があります。
活性酸素が過剰発生する原因は、以下のものが挙げられます。
1ストレス
人はストレスを受けると、それに対抗するために「副腎皮質ホルモン(ステロイド)」が分泌されます。
副腎皮質ホルモンはストレスを緩和させてくれる働きを持っているのですが、それと同時に活性酸素も発生されてしまいます。
ストレスがニキビに悪いと言われている理由は、以上のものが原因です。
また、活性酸素の酸化力から細胞を守るビタミンCも、ストレスによって消費率が上がりますので、ビタミンC不足になる原因となります。
ビタミンC不足は、活性酸素が肌に及ぼす影響を強めますので、結果としてニキビができやすい、または治りにくい肌ができてしまいます。
2紫外線
紫外線によって肌内部に発生する有害物質も、活性酸素によって殺菌・抗菌されています。
その為、多少の紫外線であれば問題はありませんが、真夏の紫外線を長時間浴びてしまうと、それに対抗しようと多くの活性酸素が発生します。
紫外線によってできる肌トラブルは、主にメラニンの色素が沈着する事によって発生するシミと思われがちですが、以上のような原因で、ニキビを発症・悪化させてしまう事もあります。
3喫煙
タバコに含まれる有害物質の量は非常に多く、それに伴って発生する活性酸素の量も過剰化します。
もちろん、受動喫煙でも同様の影響がありますので、ニキビに悩む人は非常に注意が必要です。
あまりにもニキビが酷い、悪化しやすい、直ぐに再発してしまうという人は、禁煙を検討することをお勧めします。
4過度の飲酒
お酒に含まれるアルコールは、活性酸素に対してプラスマイナスの働きをします。
肝臓は、体内に取り込まれたアルコールを活性酸素を利用して分解します。
その為、アルコールの摂取が多いと、活性酸素も増加しますので、過度な飲酒はニキビなどの肌トラブルを発症させる原因となります。
しかし、アルコール自体には活性酸素を除去する効果があるので、ビール缶2本程度であればニキビや肌トラブルが発生する原因に直結するという事はありません。
5激しい運動
活性酸素の元となっているのは、普段だれしもが体内に取り込んでいる酸素です。
その為、激しい運動などで多く酸素を取り込めば、体内で作られる活性酸素の量も増加します。
もちろん、運動はストレス解消や血行促進などの効果があり、ニキビ予防・治療にも十分に期待ができますが、息が切れるような激しい運動は、逆に肌トラブルを発生させてしまう可能性がありますので、注意してください。
活性酸素から細胞を守る「抗酸化物質」
抗酸化物質とは、活性酸素から肌細胞などを守るために働く「酸化されやすい物質」の事をさします。
酸化されやすいという特徴がある抗酸化物質は、肌細胞などが酸化されるよりも優先的に酸化する為、肌細胞へのダメージを軽減する事ができます。
抗酸化物質は、美肌効果やニキビ予防にも役立っているビタミンCやビタミンB群、その他にもペプチドやアスタキサンチン、大豆イソフラボンなどが挙げられます。
以上で挙げた成分は、活性酸素が原因で発症する赤ニキビなどの肌トラブルを予防する効果が非常に期待できるものですので、普段の食生活でしっかりと摂取すると良いでしょう。