黄ニキビとは?
黄ニキビは、小さいもので3ミリ程、大きいものだと5~7ミリ程度のものが存在し、赤ニキビの中心部に黄色い膿が浮き出てしまった状態のニキビを言います。
「化膿ニキビ」や「膿疱(のうほう)」とも呼ばれており、その名の通り、毛穴内部に膿がたまっている状態です。
黄ニキビは、肌の奥深くに位置する「真皮層」を深く傷つけてしまっている場合がほとんどの為、赤ニキビよりも痛みや痒みを強く感じるのが特徴です。
「黄ニキビ」と言われてはいますが、その色は黄色よりも白色の方が強く、これが要因で黄ニキビを「白ニキビ」と認識してしまっている人が多いので、注意してください。
黄ニキビの原因は?
黄色ニキビの原因は、白血球の1つである「好中球」が過剰に繁殖したアクネ菌を大量に取り込にこむことによって発生した膿にあります。
膿をわかりやすく説明すると、アクネ菌の攻撃から肌を守る為に戦った好中球の残骸です。
本来、膿となった好中球の残骸は体内に吸収されて消えますが、傷が深ければ深いほど、その吸収率は低くなり、膿がたまってしまいます。
膿がたまってしまう状態の黄色ニキビは、それだけ傷が深いという事です。
毛穴内部に溜まった膿は、時間が経てば勝手に吸収・排出されますが、深くまで傷ついた黄ニキビは、完治しても跡として肌表面に残ってしまう可能性が高い非常に危険なニキビです。
黄ニキビの治療方法
白ニキビ、黒ニキビ、遅くても赤ニキビの段階で治療を行う事が非常に望ましいですが、すでに黄ニキビが発症してしまった場合、少しでも間違ったケアを行えば、逆に悪化してしまう可能性が高いです。
また、膿が毛穴内部に溜まり、肌表面に張り出した黄ニキビは脆く潰れやすいので、外部からの刺激が多かれ少なかれ存在する洗顔などのケアは注意して行ってください。
黄ニキビの治療方法は、以下のものが挙げられます。
1漢方治療
東洋医学で用いられる漢方薬は、黄ニキビのように長期的な治療を必要とする慢性疾患に効果的であり、近年では医療機関でも使用される事が多い薬です。
濃度が強く副作用の恐れがある抗生物質などに対し、漢方薬は副作用のリスクが少なく、肌に刺激を与えずに治療を行う事を可能としています。
また、炎症を治す、傷を治す、菌を殺すといった単一の症状に対して効果的な西洋薬とは違い、東洋薬の漢方は一つで多種多様の症状に効果を発揮します。
ニキビ治療の為に効果的な漢方役は主に「黄連解毒湯」「荊芥連翹湯」「十味敗毒湯」などが挙げられます。
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
黄連解毒湯は肌にたまった熱を取り除き、炎症を悪化させず、治りやすい状態へとしてくれる効果があります。
また、炎症自体を抑える効果も持つため、かなり重症化した黄ニキビの炎症にも効果敵です。
その他にもイライラ、高血圧、湿疹、かゆみ、下痢などにも効果的です。
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
荊芥連翹湯は17種類もの生薬を混ぜ合わせた漢方薬であり、皮膚科や美容外科などの医療機関でも多く使用されています。
解毒作用や抗炎症作用、ニキビ悪化の原因であるアクネ菌を殺菌する作用をもつ生薬が含まれており、初期化ニキビから重症化ニキビまで幅広く効果を発揮してくれます。
また、炎症の痛みや痒みを抑える鎮痛作用や、ニキビが完治した後も再発する事を防ぐ抗菌作用や抗ウィルス作用なども含まれています。
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
十味敗毒湯はニキビやアトピーと言った吹き出物が出来やすい人、化膿しやすい体質の人向けの漢方薬です。
毛穴内部に溜まった膿を排出する解毒効果を持ち、ニキビの抜本的原因であるホルモンバランスの崩れを整える働きも持っています。
その為、黄ニキビであれば非常に効果的な漢方薬と言えます。
2ホルモン治療
ニキビの抜本的な原因であるホルモンバランスの乱れを整えるのに最も効果的なのはホルモン治療です。
特に、副作用の強い抗生物質などを使用しなければ治療が長引いてしまう黄ニキビに対しては、安全かつ刺激が低い各種ホルモン治療を実施する医療機関が多くあります。
男性ホルモンが優位になる事で発生するニキビは、主に女性ホルモンを体内に補給する事で、皮脂の過剰分泌を抑え、重症化した黄ニキビの炎症や肌の新陳代謝(ターンオーバー)を整える事ができます。
黄ニキビまで重症化した場合には、非常に効果的とは言えますが、ホルモン治療を行ったからといって必ずしもニキビ跡が残らない、早期で完治するという訳ではありません。
治療後もしっかりとセルフケアを行う事が非常に大切です。