バリア機能とは
「バリア機能」とは、紫外線や摩擦といった外部刺激から肌を守ったり、皮膚内部の水分が蒸発しないように蓋の役割をする肌機能の事を指します。
毎日肌を生まれ変わらせる細胞の働きによって、バリア機能も常に正常な機能を維持していますが、食生活の乱れや、ストレスといった事が原因で、バリア機能は低下しまい、キビや乾燥肌、炎症などの肌トラブルが起こりやすくなってしまいます。
その為、ニキビが出来にくい美肌を維持する為には、まずバリア機能の向上させる、または正常な状態を維持するといったケアを行いましょう。
バリア機能が低下した場合
思春期ニキビの原因は皮脂の過剰分泌ですが、大人ニキビの原因は、ほとんどがバリア機能の低下により引き起こる肌トラブルです。
では、一体バリア機能が低下した場合、肌はどのような状態になってしまうのでしょうか?
1.乾燥肌
バリア機能が低下してしまうと、皮膚内部の水分が蒸散しやすくなり、乾燥肌となってしまう場合があります。
乾燥した皮膚は、毛穴が大きく開き、雑菌や皮脂が詰まりやすい状態です。
更に、水分量が低く、硬い角質を肌表面へと排出する為、角栓が発生しやすく、ニキビが短期間で多発してしまうなんてこと決して可能性が低い話ではありません。
特に湿度の高い真夏は、乾燥肌とは無縁のように思いますが、実はバリア機能が低下乾しやすく、それが要因で乾燥肌になりやすい時期となりますので、十分に注意してください。
2.敏感肌
バリア機能というくらいですので、もちろんこの機能が低下すると、肌が外部刺激を受けやすい敏感肌となります。
敏感肌は、紫外線や雑菌以外にも、通常な肌にはほとんど影響のないスキンケア用品に含まれる成分が原因でニキビを発症させてしまう事も。
ニキビの炎症も広がりやすく、最悪の場合クレータ跡としてのこってしまいますので、もし肌がヒリヒリする、痒みを生じるといった症状が発生した場合は、敏感肌を疑い、バリア機能を回復させるケアを行うようにしましょう。
また、バリア機能の低下が原因で起こる敏感肌は、乾燥肌を伴う事がほとんどであり、この両方の肌トラブルを抱えた状態を「乾燥性敏感肌」と言います。
ニキビが発症しやすく、悪化しやすい厄介な肌質ですので、迅速にケアを行う事が重要となります。
バリア機能の構成要素
バリア機能の役割をもつ要素は、大きく分けて4つあります。
それぞれ違った役割があり、これら全てが正常に機能する事によって、バリア機能の強い肌を維持し、ニキビや乾燥肌といったトラブルを防ぐ事ができます。
バリア機能の要素を理解することで、ニキビができにくい美肌を維持するケアが行いやすくなりますので、しっかりと抑えておくと良いでしょう。
そんな正常なバリア機能を作りあげる4つの要素は、以下のものが挙げられます。
1.皮脂膜
肌の表面を覆う、汗と皮脂から構成された膜を「皮脂膜」と言います。
角質層の水分が蒸発を防ぎ、肌を保湿する働きがある事から、天然のクリームとも言われおり、ニキビ改善には欠かせません。
そんな皮脂膜の働きが低下すると角質層の水分が蒸発し、肌の乾燥を招いてしまうため、結果として水分の少ない硬い角質が肌表面に残り、毛穴を防ぐ角栓ができやすい状態となってしまいます。
皮脂膜の働きが弱まる原因は、主に過剰なスキンケアと言われていますので、洗顔やクレンジングといった、皮脂を落としてしまう可能性が高いケアを過度に行うのは、避けるようにしましょう。
2.角質層
角質細胞が重なる事によって構成された、皮膚最上部の層を「角質層」といいます。
皮脂膜と同様、保湿や外部刺激を防ぐ働きを持っていますが、それが何層にもなって機能している為、皮脂膜よりバリア機能が強いです。
健康な皮膚であれば、奥深くに位置する真皮層から生成される細胞によって、常に角質層は新しいものへと生まれ変わり、古くなった角質細胞は、垢となって外部へ剥がれ落ちる為、常に正常なバリア機能を保つことが可能に。
しかし、栄養不足やストレスといった事が原因で、真皮層から生成される細胞の周期が乱れ、角質細胞が減ってしまい、結果としてバリア機能は低下します。
角質層を構成する細胞の生成を促進させる場合は、ビタミンCやビタミンB、その他タンパク質といった成分を含んだ食材を、定期的にとるようにしましょう。
3.NMF(天然保湿因子)
「NMF」は、空気中や、真皮層から生成される水分を吸収し、肌に潤いやツヤを与え、乾燥から肌を守るために働く成分のことです。
肌の保湿が正常に行われる事で、乾燥肌防止だけではなく、毛穴を引き締めニキビができづらい肌を維持する事にも繋がります。
角質層と同様、真皮層から生成される成分や水分によって構成されている為、真皮層の働きが低下すると、NMFの量も低下しますので、角質層と同様、細胞を促進させる作用をもつ成分を定期的に摂取するようにしましょう。
また、NMFは様々なスキンケア用品に含まれていますので、ニキビが発症・悪化しやすい、肌がヒリヒリするといった症状を感じている方は、使用してみて下さい。
4.細胞間脂質(セラミド)
「細胞間脂質」とは、強いバリア機能を持つ角質層の細胞と細胞を繋ぐ脂質です。
簡単に言ってしまうと、レンガブロックを固定するセメントと同じ役割をもっている成分となります。
その為、細胞間脂質が減少してしまうと、角質層を構成する角質細胞が崩れ、バリア機能は大幅に低下し、ニキビ発症の原因へと繋がりますので、乾燥肌・敏感肌の方は、セラミドも意識してケアを行ってください。
セラミドもターンオーバーによって生成されている為、細胞生成を促進させる成分でセラミド不足を改善し、バリア機能を向上させる事が可能です。
また、NMF同様、様々なスキンケア用品に含まれている成分でもありますので、使用してみましましょう。